首長自らが運転してご案内!? カタールの首長とアポをとるにはどうすればいいのか。まずは辛抱強さが必要だ。カタールという国では遠い先まで見据える長期的な思考が尊ばれる。せっかちな人に出る幕はないのだ。私たちがカタールの首都ドーハに到着したとき、最初の連絡から5年の歳月が過ぎていた。 大臣や高官との会見で2日を過ごした後、首長本人と会うときが訪れた。まずは「オフレコ」での会見だ(正式なインタビューは翌日、首長の執務室ですることになっていた)。待ち合わせの場所に選ばれたのは、ルワンダ直輸入のオーガニック・ネクターが飲めるドーハの流行りの小さなカフェだった。笑みを浮かべたタミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ(42)は、店内に入ってくるやいなや、さっそく「ボンジュール、コモンタレヴ?」とフランス語で話しかけてきた。 カタールの首長は子供時代、夏を何度かベルギー南部の町マルメディで過ごしたのでフラン