日本時間の2025年1月16日の未明にアメリカのジョー・バイデン大統領がガザの停戦合意を発表した。2023年10月から15か月間にわたって続いてきたガザと周辺での武力衝突が終わりそうだ。 各種の報道によれば、合意の骨子は、まず6週間の停戦、その間にハマス側は押さえている人質の総数の約3分の1の33人を解放する。イスラエル側も収監しているパレスチナ人のうちの一部を釈放する。またガザへの人道援助の増加である。そして、その後に幾つかの段階を経て、人質全員の解放と恒久的な停戦に到る。 この内容は、昨年5月に提示されていた内容と、ほぼ同じとされる。それでは、これまで停滞していた停戦交渉が、なぜ、今になって結実したのだろうか。 ガザの停戦合意の背景として4点に注目したい。まず第1にトランプ次期大統領の強い圧力だ。次期大統領は、自分の就任前の停戦を求めた。またバイデン政権と密接に連携しながら、トランプの
