円高がおさまらない。2010年8月11日の外国為替市場で円相場は一時、1ドル=84円72銭まで上昇し、1995年7月以来15年1か月ぶりの高値を付けた。この水準になると、輸出企業の収益が悪化し、日本経済にとって好ましくない。日本はなんだかんだといっても、一部のエクセレントカンパニーは輸出で食っているので、為替レート水準は経済全体に大きな影響がでる。 今回の円高は、政府・日銀の無策の結果である。円相場で円高が進んでいることを受け、野田佳彦財務相は口先で注視するというが、本当に視ているだけで、何の行動も伴わない。直嶋正行経済産業相は、輸出関連の約200社を対象として緊急ヒアリング調査を行うだけ。内閣府では、大塚耕平副大臣が「まず総合的な日銀に対する評価だが、日銀が現在行っている政策は、10年前、15年前など当時の金融政策の常識から考えれば、かなり踏み込んでおり、評価できる」なんて、のんきなこと