2010年07月19日19:42 カテゴリ本経済 世界恐慌を起こした金融王 1930年代の大恐慌の原因については、いまだに論争が続いているが、いくつかの点は明らかになっている。第一は、その原因が「有効需要の不足」といったリアルな問題ではなく金融危機だったことであり、第二はそれがアメリカだけではなく世界の金融システムの問題だったことだ。本書は、この問題を4人の「金融王」の物語としておもしろく描いている(FTビジネスブック賞およびピュリッツァー賞を受賞)。 その4人とは、当時のNY連銀総裁、イングランド銀行総裁、フランス銀行総裁、ライヒスバンク(ドイツ)総裁だ。といってもよくある、彼らが結託して世界を危機に陥れたといった「陰謀史観」ではない。むしろ彼らは相互に連絡を取りながら世界経済を救おうと努力したのだが、彼らが共通にとりつかれていた固定観念が問題を悪化させたのだ。 その固定観念とは金本位制
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