2011年10月18日09:30 カテゴリ経済 TPPは「第三の開国」か 永田町ではTPPが政局化して大騒ぎになり、ネット上でも「アメリカの陰謀」とかいう話が盛り上がっているらしい。しかし、その急先鋒である中野剛志氏の本を読めばわかるように、この種の陰謀論には具体的な中身がない。 これは日本人が変化を拒むとき、いつも出てくるおなじみのストーリーである。80年代の日米構造協議のときや、小泉政権の郵政民営化のときも「外資が日本を乗っ取る」という陰謀論が騒がれた。歴史的にも、このような抵抗は尊王攘夷など繰り返されてきたが、丸山眞男も指摘するように、むしろ日本の特徴は、こうした外来の制度を受容しても「古層」の部分が驚くほど変わらないことだ。 日本はアジアの端っこで、中国という世界の最先進国から文化を輸入しながら、海で隔てられて平和を守れる恵まれた位置にいた。太平洋の島国のように離れすぎると未開のま