米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、相矛盾する2つの予想を示すことで、米国民が奇妙な金融の世界に暮らしていることを再確認した。連邦公開市場委員会(FOMC)の賢人たちは、米経済がこれまで想定していたよりも速いペースで回復しつつあると指摘する一方で、それにもかかわらず金利は2023年までゼロ近辺にとどまると予想した。 ある意味では、今回のFRBの声明は、ジェローム・パウエルFRB議長が先月示した新たなインフレターゲット政策を、より具体的に説明しただけとも言える。われわれは先月の社説でそれを、冗談半分で「低金利は永遠に続く!」と表現した。16日の声明は、少なくとも2023年までゼロ金利が続くとの予想を明確にした。同年までにインフレ率が平均2%以上にならなければ、ゼロ金利の期間はさらに長くなるという。 しかし、過去3カ月間にわたって経済の評価を大きく誤ったのに、FRBは「聖ポール・ボルカー」