読売新聞の記事より。 【61年ぶりに将棋界の重い扉を開いたのは35歳の会社員だった――。1944年以来の実施となった将棋プロの編入試験。アマ強豪で会社員の瀬川晶司さん(35)が6日、六番勝負で3勝目をあげ、プロ棋士四段の資格を獲得した。 午後5時51分、対戦相手の高野秀行五段が投了を告げると、将棋の取材では異例ともいえる29社の取材陣が一斉に対局室になだれ込んだ。目を真っ赤にした瀬川さんは「まだ(プロ入りの)実感がわかない。勝ててうれしいです」と話すのがやっと。 2勝2敗で臨んだ第5局。後手番となった瀬川さんが、得意の「中座飛車」戦法を採用。飛車角が飛び交う空中戦となり、形勢が二転三転した。慎重な棋風の瀬川さんは5局連続して秒読み将棋に追い込まれながらも、最終盤は的確な指し手を続け、プロの座を手中にした。 終局後、記者会見した瀬川さんは、「今まではプロ試験にいつも追われている気持ちだったの