ヘンプの破片と石灰を混ぜた「ヘンプクリート」を建材に使った家。ヘンプクリートは、防かび性や通気性に優れ、環境に優しいことを売りにしている。 米国独立宣言の草稿を記した紙は、大麻でできていた。自動車メーカー、フォードの創業者ヘンリー・フォードは、大麻を使ったプラスチックで車体を造った。米国初代大統領ジョージ・ワシントンは、大麻を栽培していた。 大麻は実にさまざまな目的で使われてきた。栽培を認可される農家が増えている今、次なるブームは、住宅用の建材としての利用かもしれない。 米国では大麻を、植民地時代から第二次世界大戦期まで広く利用してきたが、その後は禁止薬物として取り締まってきた。ところが今、大麻を使った産業に再び参入しようとしている。2014年の米国農業法では、大麻のうち、精神活性成分を含まない品種(一般に「ヘンプ」と呼ばれる)の栽培を限定的に認めたのだ。(参考記事:2015年6月号『マリ