北海道大学医学研究院呼吸器内科学教室の中久保祥氏らは、札幌市で新型コロナウイルス感染症(COVID-19) と診断されて療養判定システムに登録された15万人以上のデータを用い、オミクロン株の亜系統やワクチン接種歴などによる症状の新たな特徴を解析。ワクチン接種による症状の変化に加え、高齢者の症状の特徴と重症化リスクとの関連などをLancet Infect Dis(2023年6月30日オンライン版)に報告した。 免疫状態によるCOVID-19の症状の変化 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大に伴い、さまざまな変異株が生まれた。感染による自然免疫を獲得する人が増加する一方でワクチンも普及し、感染者の免疫状態は流行当初とは変化している。こういった状況を踏まえ、中久保氏らは札幌市の大規模データを用い、オミクロン株流行期の亜系統や感染者の免疫状態などによって、COVID-19の症状にど