最近,「異文化間コミュニケーション」ということがよく言われます。異なる言語や文化を背景とした人どうしが直接コミュニケーションをおこなう,それが異文化間コミュニケーションです。 異文化間コミュニケーションというと,外国の人とのコミュニケーションを思い浮かべる人も多いでしょう。実際,日本で異文化間コミュニケーションということが言われるようになった背景には,日本人が仕事や旅行で海外に出かけたり,外国の人が日本に来て地域の隣人として定住したりする機会が増えたということがあります。 しかし,外国の人とのコミュニケーションだけが異文化間コミュニケーションなのではありません。たとえば,「最近の若い人は何を考えているのかわからない」という,いつの世にも聞かれる嘆きは,異なる世代の間のコミュニケーションがまさに異文化間コミュニケーションであることを示しています。また,日本の国内でも,地域によって文化や習慣は