『週刊新潮』 2016年3月10日号 日本ルネッサンス 第695回 小欄をお読みいただく頃には、米大統領選指名争いの山場、3月1日のスーパーチューズデーの結果が出ているはずだ。 大統領選の大きな流れをほぼ確定する3月1日に向けて、米主要紙の報道が過熱している。焦点は「トランプ阻止」である。「ワシントン・ポスト」(WP)紙は根っからの民主党支持であるが、2月24日と25日の社説でトランプ氏に関して共和党にメッセージを送った。 「共和党指導者よ、持てる全ての力でトランプを阻止せよ」とまず書き、翌日、「トランプは共和党の怪物、フランケンシュタインだ。彼は今や党を破壊する力を手にした」と警告した。 結局、トランプ氏の勢いを止めるのは有権者だとして、WP紙はトランプ氏に投票しないように呼びかける異例の社説を掲げたのだ。 一方、共和党支持の「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)紙は、2月25日