『週刊新潮』 2013年11月7日号 日本ルネッサンス 第581回 かつて、自分の国さえ平和で安全であればよしとする一国平和主義という言葉は専ら日本批判に使われた。いま、その言葉は大国米国に向けられつつあるのではないか。オバマ大統領の米国は超大国としての威信を急速に低下させ、パックス・アメリカーナの時代における世界秩序の崩壊が始まっている。日本にはこの危機を好機に変える意思と力がある。 国家基本問題研究所副理事長の田久保忠衛氏は、オバマ大統領が9月10日、米国がシリアを攻撃しないことを国民に説明する中で「米国は世界の警察官ではない」と2度、語ったことを指摘し、こう述べる。 「同発言は、米国は他国の紛争に巻き込まれたくないという意思表示であり、この内向き姿勢が、世界各地で動揺と混乱の原因となっています」 まず中東である。世界最大の石油産出国にして中東の盟主といってよいサウジアラビアは10月1
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