―― 大人に対しては手厳しい評価ですね。 ポップ・カルチャーに対して大きな不安を感じる。本当の目的と違うことに、新技術が使われているケースが目に付く。例えば携帯電話。昔は、いつ、どこにいても連絡が取れるように心配していたものだ。誰かのオフィスに行けば、そこに電話があることを確認して安心する。ところが最近は、仮にオフィスや会議室に電話がなくても、だれも不安を感じない。それは携帯電話を身に付けているからだ。ところがその携帯電話をどういった目的に利用しているかといえば、瑣末な用途に使うことがほとんどになっている。重要な話を電話でするというより、強い目的があるわけでもない、些細な会話に使う比率の方が高い。技術が普及し、日常の一部になるということは、本来の重要な目的が忘れ去られることを意味するのかもしれない。 では、コンピュータの利用方法はどうか。多くの人は、コンピュータを使って何かを学ぼうとし