宮城県岩沼市の小野精工が、害獣駆除に使うレーザー照射による撃退装置を開発した。農作物に被害をもたらすイノシシなどの動物が嫌う光によって作物を守る方式。電気柵による事故も防ぐことができることから、全国の農業関係者の注目を集めている。 同社は、部品加工。メーカーからの受注で精密部品などの製造を長年手がけてきた。だが、国内製造業の空洞化でこれまでのような売り上げの伸びが期待できなくなる中、同社の小野宏明会長は「新たな取り組みが必要ではないかと考えた」と振り返る。「どうせやるなら役に立つことに取り組みたい」との思いを強くした。 県農産園芸環境課によると、平成27年度の野生鳥獣による農作物の被害額は約1億3870万円。このうち、イノシシが7430万円と半分以上を占めた。被害は山間部だけでなく沿岸部にも広がり、増加傾向にある。