彼女を呼んだ東大を評価するのはわかる。祝辞の論旨もわかる。けれども全文を読むと、納得感よりもむしろ反感のほうが上回ってしまう。リアルタイムで聞いていたらよりそう思っただろう。 「ちなみに東京大学理科3類は1.03、平均よりは低いですが1.0よりは高い、この数字をどう読み解けばよいでしょうか。統計は大事です、それをもとに考察が成り立つのですから。」全くそのとおりである。正確な統計や適切な文書管理を疎かにするような国や組織がもしもあるとすれば、その未来は決して明るくないだろうし、国家であれば到底現代の先進国を名乗る資格はない。それではこの1.03という数字はどう判断すればよいだろうか。年間100人しか合格者のいない科類で0.03のずれは、直感的には大きくない。 数字の根拠となるのは、文部科学省の行った「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査」である。http://www.me