全世界の電力の約7割は火力発電で作られている。大量のCO2を排出する問題に加えて、燃料になる石油・石炭・天然ガスの価格高騰が電力会社の経営を圧迫する。有効な解決策は発電効率を高めて、燃料の使用量を抑えることだ。最新鋭の火力発電設備では熱を電力に変換できる「熱効率」が高い。 東京電力をはじめ火力発電設備を増強する動きが活発になってきた。古くなった設備を廃止して、最新鋭の発電方式を採用した設備に切り替えれば、燃料の使用量とCO2の排出量を大幅に削減できるからだ。どの程度の改善を見込めるのか、その指標になるのが「熱効率」である。 火力発電の熱効率は、燃料の熱エネルギー(発熱量)を電気エネルギー(発電量)に変換できる割合を示したものだ。石油・石炭・天然ガスは精製した状態によって発熱量が決まっている。それをもとに発電量から熱効率を計算する。 熱効率 = 発電設備による発電量 ÷ 燃料による発熱量 熱