20年ほど前に政府専用機が登場するまでは、天皇陛下をはじめとする皇族の海外訪問は日本航空(JAL)の特別機が定番だった。だが、今ではそれが様変わりしたようで、ここ数か月の天皇皇后陛下や皇太子ご夫妻の海外訪問で利用されたのは全日空(ANA)のチャーター機だった。しかも、契約は一般競争入札ではなく随意契約で決まっていた。 政府専用機も買い替えにともなって整備委託先がJALからANAへの変更が決まったばかりで、国を代表する航空会社「ナショナルフラッグキャリア」の交代を印象付ける出来事が続いている。 相手国の滑走路が短いので政府専用機が使えない 政府は1991年、政府専用機として「ジャンボジェット」として知られているボーイング747-400型機を2機導入。93年以降は、皇族を含む日本の要人輸送は主に政府専用機が担ってきた。例えば天皇皇后両陛下の場合、1993年8月のベルギー訪問でJALの特別機が使