学歴や経済的理由で就職活動が困難だったのに、生活保護の申請を認めないのは違法として、大阪府岸和田市の男性(41)が、市に却下処分の取り消しと100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、大阪地裁であった。田中健治裁判長は「生活保護の要件を満たしている」として却下処分を取り消し、約68万円の支払いを命じた。 判決などによると、男性は2008年2月に義母を介護するため岸和田市に転居し、新たに仕事を探したが見つからず、同年6月に生活保護を申請。しかし市は、男性に働く能力があるとして認めなかった。その後も09年7月に保護を始めるまで計4回の申請を却下した。 判決は、男性は申請時に所持金が400円しかなく、就職活動に行く交通費もない上、中卒でフォークリフト免許以外に資格がないため就労が極めて困難だったと指摘。「働く能力の有無だけでなく、年齢や健康状態、学歴、生活歴などを総合的に判断すべきだ」として