ねじれ国会で話題になるのが国会同意人事だ。国会同意人事とは、衆議院・参議院の本会議での同意を経て内閣、内閣総理大臣又は各省大臣が任命する人事のことをいう。両院で過半数の賛成が必要で、衆院の優越規定がないため、野党優位の参院が大きな影響力を行使できる。 政府は4日、今年6月から空席となっている預金保険機構の理事長に、同機構の元理事で元日銀信用機構局長の田辺昌徳氏をあてるなど国会同意人事案を提示した。しかし、同理事長ポストをはじめ、48人分の人事が宙に浮いて協議に入れない状況だ。 これは、過去の苦い経緯がある。2008年の福田政権での日銀総裁人事だ。武藤敏郎氏、田波耕治氏と、財務(旧大蔵)次官経験者が次々拒否され、戦後初めて日銀総裁が空席になった。現白川方明総裁が同意されるまで異常事態は3週間続いた。結局、衆参ねじれになって以降、自公政権では合計28人の人事案が否決されている。 仙谷由人