自己主張する中国を恐れるアジア 米国接近ムードから中国が汲むべき教訓 JBpress(日本ビジネスプレス)

（2010年11月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙） 日本を訪れて政治家や政策立案者に会うと、話は決まって中国の話題から始まる。しばらくすると話は米国に移る。そしてまた中国に戻っていく。すべてをつなぐ糸は不安だ。中国政府の意図は何かという不安が、衰退しゆく米国の力に対する不安とせめぎ合っているのだ。 ヨーロッパ人にとっても、こうした議論は不安を感じさせるものだ。もちろん欧州自身も、世界の新たな強国によって歴史の影へと追いやられる危険を抱えている。だが、今のところ欧州を覆っている全体的なムードは、内省と自己満足だ。欧州は、地政学の重心が大西洋から太平洋に移っていることに目を瞑りたがっている。 自己主張を強める中国と衰退する米国の狭間で・・・ 米国と中国は今月ソウルで開かれた20カ国・地域（G20）サミットで、世界経済の不均衡について突っ込んだ議論を行ったが、欧州諸国は内輪でユーロについ