今は景気が良くなったね。どうして良くなったのかな。景気が悪い時に、どうするか分からないのは、まだしも、良くなっても、未だ理由か知れないのでは、ちょっと情けない。変化を目の当たりにしても、ここまで不明なのは、理解に必要な基本的枠組みが欠けていることの表れだ。例えば、今になって異次元な金融緩和の効果が出たとは、なかなか信じられないと思うんだよ。 ……… どんな経済政策が有効かについて、SコーエンとBデロングは、『アメリカ経済政策入門』中で、実利に則るプラグマティックなものが成功を収めてきたと説く。その反対は、イデオロギーに動かされる政策で、規制緩和によって金融業を肥大化させた1980年代以降の米国が該当するというわけだ。ただ、現実に即した政策が役に立つのは常識的だし、それだけでは何も言ってないに等しい。 しかも、色々と試して上手くいったものを展開するプラグマティックな手法は、金融業の肥大化路線