10月の世界の資本市場は、米国の利上げ観測や中国経済への警戒感が後退したことに加え、ECBが12月理事会での緩和拡大の姿勢を明確にし、さらに中国人民銀行が利下げと預金準備率を引き下げたことで世界的に株価は反発、一時低下圧力の掛かったドル円も底堅く推移している。日銀の追加緩和観測はまだ根強く残っており、8-9月の悲観論を払拭した市場には、金融緩和期待の相場が舞い戻ってきた。 FRBによる12月利上げのシナリオはまだ残っているが、その確率が相当低下したことは事実である。雇用ペースの鈍化、製造業における景況感の低迷、米主要企業の冴えない決算、そして横ばいを続ける物価上昇率など、利上げムードにはほど遠いのが実勢だ。景気拡大局面の終焉が意識され始めれば、来年以降も利上げは難しくなるかもしれない。 世界の実体経済を見渡しても、低迷ムードが鮮明になりつつある。黒田総裁は先月の金融政策決定会合後の記者会見
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