マイナ保険証の導入のため、国が2014〜24年度に投じた総コストは、少なくとも8879億円に上ることが東京新聞の調べで分かった。このうち6割は「マイナポイント」などの普及のための費用だった。それでもマイナ保険証の利用率は9月末時点で13.87%にとどまる。巨額の税金を投じた効果は限定的だ。(福岡範行)
マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」について、地方紙18紙が8月に実施した合同アンケート(1万2007人が回答)では、旗振り役の河野太郎デジタル相への不満や批判が噴出した。 「河野がんばれ」の声も一部にはあったものの、マイナカードのメリットを認める人たちからも「必要以上に不安をあおってしまった」と苦言が寄せられた。
介護保険証も「紙は廃止」へ? マイナカードと一体化を前提に厚労省部会で議論中 やっぱり不安の声が出ている 厚生労働省の部会で、紙で交付されてきた介護保険証のペーパーレス化が議論されている。介護情報のデータ基盤整備に合わせマイナンバーカードとの連携を図ることで、効率化や利便性の向上が期待できる一方、自力で取得手続きができない高齢者や情報保護への懸念から、慎重な議論を求める声も上がる。(曽田晋太郎)
政治団体「NHKから国民を守る党(NHK党)」の立花孝志党首は12日、東京都知事選後では初の定例記者会見に臨んだ。党に一定額を寄付した人がポスターを掲示できるようにしたことで得た最終的な「売り上げ」や、今後の選挙方針について語った。(デジタル編集部) NHK党のポスター掲示板を巡る経過 NHK党は、東京都知事選で19人の公認候補と関連する5人の計24人を擁立。一定の金額(5000円~2万5000円程度)を寄付すれば、都内約1万4000カ所にあるポスター掲示板のうち1カ所で、寄付者が独自に作成したポスターを最大24枚貼れるという活動を行った。候補者と無関係の格闘家や動物の写真、女性向け性風俗店などのポスターが貼られて物議を醸した。
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に関し、岸田文雄首相が党としての処分や再発防止策の検討を表明して幕引きを急いでいる。安倍派や二階派の幹部らは衆参の政治倫理審査会で「知らない」「分からない」と繰り返し、裏金づくりの経緯は解明されていない。このまま処分や再発防止を進めても、国民の信頼回復は難しい。野党はさらなる政倫審の開催や、安倍派幹部らの証人喚問での徹底追及を要求し、実態解明を迫る。(大野暢子) 立憲民主党と日本維新の会、共産党、国民民主党は19日の野党の国対委員長会談で、自民議員計10人の衆参政倫審での弁明について「実態の解明には全くつながらなかった」との認識で一致。政治資金収支報告書にキックバック(還流)の不記載があった衆院議員51人のうち、まだ弁明していない45人の政倫審への出席を求めた。 政倫審の審査は、疑惑について弁明したい議員本人が申し出るか、衆院では25人いる委員の3分の
自民党派閥の政治資金パーティーで受け取った裏金の税務処理を巡る自身の発言に批判が集まっていることを受け、鈴木俊一財務相は26日の衆院予算委員会で「国民であれ国会議員であれ、収入や経費を正しく計算し、所得が発生した場合には申告して頂く」と述べ、発言を修正した。 問題となっているのは鈴木氏が22日の衆院予算委で、裏金を受け取った議員は所得として納税することになるかを問われた際に「疑義が持たれた政治家が政治責任を果たす、そういう観点から(議員個人が納税をするかどうか)判断されるべきものであると思う」と述べた答弁。納税は憲法で国民の義務と明記されている。にもかかわらず、答弁は政治家だけが納税を個人の判断でできるともとれ、特別扱いだとして、交流サイト(SNS)で「納税は個人の自由だったのか」などと批判が広がった。 26日の予算委では、立憲民主党の城井崇氏は裏金事件の中で始まった確定申告を巡り、SNS
石川県で最大震度7を観測した能登半島地震で、人命救助などのために派遣されている自衛隊員は、5日時点で約5000人となった。政府は、地理的条件や近隣の部隊配置などに違いがあり、単純比較できないとするが、2016年に震度7を記録した熊本地震の5分の1にとどまる。野党からは、政府の初動対応の遅れを批判する声も出ている。 防衛省は地震発生翌日の2日、陸海空自衛隊の指揮系統を一元化した統合任務部隊を1万人規模で編成した。ただ実際に現地で活動するのは2日の段階で約1000人、3日は約2000人、5日も約5000人にとどまっている。発災から5日目で約2万4000人が活動していた熊本地震と比べて規模が小さく見える。 立憲民主党の泉健太代表は5日、記者団に「自衛隊が逐次投入になっており、あまりに遅く小規模だ」と批判。別の立民幹部も「物資が届かず、被害の全容が明らかにならないのは、自衛隊員が足りない影響だ」と
2023年最後の取引となった大納会の29日、東京株式市場は日経平均株価(225種)が前年末に比べて7369円67銭高い3万3464円17銭で取引を終えた。年末の株価としては過去最高だった1989年以来、34年ぶりの高値となった。業績好調な大企業は株式市場をけん引した半面、稼ぎを人件費に回す割合「労働分配率」は4割ほどと過去最低の水準だ。識者は「大手企業は賃金に回せる余裕がある」と指摘する。(押川恵理子) 労働分配率 企業の生みだした付加価値が、どれだけ働く人に還元されているかを示す割合。高いほど働く人への配分が手厚いと言えるが、高過ぎると経営を圧迫する。本紙は財務省の法人企業統計(金融、保険業を除く)をもとに、人件費を付加価値(経常利益、人件費、減価償却費などの合計)で割って、分配率を算出した。ほかに、経常利益の代わりに本業のもうけである営業利益を使う算出方法や、雇用者報酬を国民所得で割る
小学3年生以下の子どものみで外出・留守番させることを禁じる埼玉県虐待禁止条例改正案を県議会に提案した自民党県議団は10日、改正案の撤回を決めた。改正案には、県民からは大きな反発の声が出ていた。田村琢実団長はこの日、記者会見を開き、混乱を招いたとして謝罪。ただ、議案の内容に「瑕疵(かし)はなかった」と強調し、取り下げは「私の説明が不十分だったため」と繰り返した。(飯塚大輝)
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