4人の心理学者が,偏見や差別の問題に心理学が取り組む意義や,そこから見えてきた今後の課題を語ります。最終回は,社会問題を心理学で研究すること,偏見・差別に関する日本の文化的側面について取り上げます。 →連載第1回はこちら →連載第2回はこちら →連載第3回はこちら 社会問題を心理学でどのように研究するか 唐沢: 一個人,一国民として,ステレオタイプや偏見の問題にどのように関わるかということと,心理学の専門家としてどのように関わるかという両面があります。今回の本は専門家としての試みを集めたものとして,社会にインパクトをもってくれるといいなと思います。テーマに関しては,他に類書がないほどカバーできたのではないかと思っています。 唐沢 穣(からさわ・みのる):名古屋大学大学院情報学研究科教授。主著に,『責任と法意識の人間科学』(勁草書房,2018年,共編),The emergent nature