宗教的・政治的な儀式や競技行事などといった祝祭が共和制から君主制に移行していく過程において近世フィレンツェにどのような影響をもたらしたのか。市庁舎広場、聖堂、ロッジア、街路、橋、ヴィラなどを取り上げ、分析することで都市と祝祭の重層的な実相に迫る。 序 章 祝祭から見た都市 1 本書の視角 2 先行研究と課題 3 本書の方法と構成 第1部 共和国時代からの祝祭 第1章 メディチ家と祝祭 はじめに 1 共和国時代の祝祭 2 コジモ・イル・ヴェッキオと祝祭(一四三四─一四六四年) 3 ロレンツォ・デ・メディチと祝祭(一四六九─一四九二年) 4 メディチ家の復帰と祝祭(一五一二─一五二七年) 5 君主国時代の入市式 6 コジモ一世治世の大衆的祝祭 まとめ 第2章 市庁舎広場──祝祭が作る空間 はじめに 1 パラッツォ・ヴェッキオの建設 2 シニョリーア広場の拡張整備 3 リンギエラとロッジア・デッ