神への信仰が自明だった宗教の時代から、ひとつの選択肢にすぎなくなる世俗の時代へ。こうした歴史認識の前提となっている西洋社会だが、「西方キリスト教」世界の世俗と宗教のあり方も実際は多様で様々な内的葛藤をはらんでいる。その内実を「ヨーロッパの東」による相対化も交え明らかにしていく。各国現状を比較した資料付き。 序論 本書の目的・特色・構成[伊達聖伸] 第Ⅰ部 総論 世俗の時代のヨーロッパにおける政教関係の構造と変容 [伊達聖伸、小川公代、木村護郎クリストフ、内村俊太、江川純一、オリオン・クラウタウ、加藤久子、立田由紀恵、井上まどか] はじめに 第1章 近世─宗教改革から領域主権国家の確立と王権の強化まで(一六世紀~一八世紀) 一 スペイン─レコンキスタとカトリック的な王国の形成 二 ドイツ─宗教改革から領邦教会制へ 三 イギリス─国教会の成立から二つの革命へ 四 フランス─宗教戦争から絶対王政