明けましておめでとうございます。新年なので新しいことに挑戦してみようということで、今回は史料ではなく、本の紹介を行いたいと思います。 今回紹介するのは、佐藤二葉『アンナ・コムネナ』や井上浩一『歴史学の慰め』でも参考文献に挙げられている、L. Neville, Anna Komnene: The Life and Work of a Medieval Historian(『アンナ・コムネナ ある中世の歴史家の生涯と作品』)です。著者のレオノーラ・ネヴィル氏は、中期ビザンツの社会と文化を専門とする研究者で、アンナの夫であるニケフォロス・ブリュエンニオスに関する著作もあるほか、博士論文執筆時の指導教員は本邦でも『ビザンツ 驚くべき中世帝国』で知られるジュディス・ヘリン氏であるということです*1。 Anna Komnene: The Life and Work of a Medieval Hist