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  • SF小説って読み通すのに労力がいるよね - 基本読書

    qianchong.hatenablog.com こんな記事を読んだ。記事内で当ブログに言及していただいており通知が飛んできたので読んだのだけれども、内容的には「SF映画AI技術系のも大好きなのに、SF小説は最後まで読み通せないものが多い」ということで、なぜなのだろう、老いなのだろうか、と疑問を呈している。率直な感覚が綴られた、良い記事だ。 SFって読み通すのに労力がいるよね SF小説を読んでいる方の人間である僕にとっても「わかる」と頷くところが多い記事だった。SF小説って、ブログ筆者の方も次のように書いているけれど(『SF小説というものは、類まれなる想像力でこれまでに我々が見たことも聞いたこともないような世界を紡ぎ出すところがその真骨頂だと思います。でもおそらく私は、その想像力が紡ぎ出す世界に自らの想像力が追いついていかないのでしょう。』)、想像力が追いつくかどうか以前に「読むのに

    SF小説って読み通すのに労力がいるよね - 基本読書
    Betty999
    Betty999 2024/07/16
    以前、マーケティングの研修で、Macの1984のCMを見させられて、その時私はまだ1984を読んだことなかったんだけど、白黒の支配者がIBMで悪の巨人扱いだということはすぐに分かった。SF好きなら暗黙の前提条件だもんね。
  • 『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』という本を刊行します。 - 基本読書

    「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門 作者:冬木 糸一ダイヤモンド社Amazonこのブログ「基読書」を書いている冬木糸一です。3月1日に、『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』というをダイヤモンド社から刊行することになったので、その告知文を下記につらつらと書いていきます。このブログの読者にはまず楽しんでもらえる内容なので、ぜひ告知分だけでも読んでいってください。 の外観。440ページ超えなのでけっこう分厚い SF超入門とは何なのか 「SF超入門」と銘打っているわけなので、当然SFに入門するためのになる。歴史や作家など入門といっても無数の入り口があるわけだけれども、今回はいわゆるSF小説のガイド的な内容になっている。ただ、「SF初心者はこれを読め!」といって初心者向けを語る、ガイド記事を拡張した内容とは異なるアプローチでを選んでいる。 たとえば

    『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』という本を刊行します。 - 基本読書
    Betty999
    Betty999 2023/02/18
    帯の入山先生の言葉に共感。また、創造性の観点だけではなく、「1984」をみんなが読んでたら話早いのに、とか、たまに思うもんなあ。AIブームとかも、どのSFに書かれたタイプのAIのイメージか、とか。是非読んでみたい
  • なぜ一見何の利益もない嫌がらせ行為を行う人間が存在するのか?──『悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?』 - 基本読書

    悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか? 作者:サイモン・マッカーシー=ジョーンズインターシフトAmazon最近、仕事中のほとんどの時間は何らかのゲーム配信(最近はLeague of Legends)を垂れ流していることが多い。人気のストリーマーは数千、数万といった視聴者を集める。そうすると、一人用ゲームではない対戦系ゲームを配信で行っている配信者は、少なからぬ「嫌がらせ」行為に遭遇するものだ。 たとえば、配信者がゲームのマッチングを開始したのにタイミングを合わせてマッチング開始し、配信者とマッチングしたらその試合で通常ありえないえないゲームプレイをして負けに導いたり、挑発行為を繰り返したり、Apexのようなバトロワなら配信を見て位置を把握し集中攻撃をかけたりが行われるのである。 そうした悪意あるプレイヤーが、なぜ、自分にとってたいして利益があるようにも思えない悪意あ

    なぜ一見何の利益もない嫌がらせ行為を行う人間が存在するのか?──『悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?』 - 基本読書
    Betty999
    Betty999 2023/01/26
    人間はホモ・エコノミクスではなく、ホモ・サピエンスでしかない、という話ですよね。 しかも、ただ不合理なのではなく、破壊的衝動を持つ人が、一定数存在している、と。 破壊なくして創造なし、みたいな。
  • 「幸せ」を追求するのはいいことなのか?──『ハッピークラシー――「幸せ」願望に支配される日常』 - 基本読書

    ハッピークラシー――「幸せ」願望に支配される日常 作者:エドガー・カバナス,エヴァ・イルーズ,山田陽子みすず書房Amazon「幸せ」であることは、良いものであるように思える。なぜなら、幸せは良いものだからだ。トートロジーだが、こう考える人は多いだろう(僕もそう思っていた)。 書は、そうした幸せであることは無条件に良いものである、とする幸せへの理解が、適切ではない形で広まった結果として、結果的に我々を縛るものになってしまっている、と批判的に検証していくである。著者はスペインにある大学の心理学教授であるエドガー・カバナスと、ヘブライ大学の社会学教授であるエヴァ・イルーズの二人。その性質上、欧米を中心に流行しているポジティブ心理学への批判が中心であり、日の「幸せ」の受け入れられ方とは異なる面もあるのだが、「幸せ」産業の発展はグローバルで進行しているものだから、関係がないわけではもちろんない

    「幸せ」を追求するのはいいことなのか?──『ハッピークラシー――「幸せ」願望に支配される日常』 - 基本読書
    Betty999
    Betty999 2022/11/14
    自分のうちの犬を吸ってるときか、お腹出した犬を撫でてるときか、犬に顔舐められてるときが、最高の幸せに決まってるだろ。そして、そのどれが本当の一番幸せなときかを追求することには 意味がない。
  • 数学概念が人類に生まれつきそなわっていないことを示す、数と言語人類学──『数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた』 - 基本読書

    数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた 作者:ケイレブ・エヴェレット発売日: 2021/05/08メディア: 単行 はじめに 数の概念は、生まれつき備わっているものではない 数の概念がないなんてことがあるのか? 1〜3 おわりに はじめに 『ピダハン──「言語能」を超える文化と世界観』という、左右や数字の概念を持たない珍しい言語の持ち主であるアマゾンの少数民族について書かれたノンフィクションがある。この、少数民族の話ながらもそこからチョムスキーの言語能否定の話や、幸せとは、文化とは、宗教とは、といった話に繋がっていく普遍的な話を展開しており、そのユーモア溢れる筆致もあって世界的に話題になっていった。 今回取り上げたい『数の発明』は、その『ピダハン』の著者ダニエル・L・エヴェレットの息子、ケイレブ・エヴェレットによる著書である。親子揃って言語学者とは凄いが、ケイレブは父親であ

    数学概念が人類に生まれつきそなわっていないことを示す、数と言語人類学──『数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた』 - 基本読書
    Betty999
    Betty999 2021/05/13
    犬は、1,2,たくさん、だと聞いたことがあるような。だから犬へのおやつは、3つあげることにしてる。(≒たくさんあげてる)
  • 社会に分断をもたらした「自分自身の努力と勤勉さ」で成功したという考え──『実力も運のうち 能力主義は正義か?』 - 基本読書

    実力も運のうち 能力主義は正義か? 作者:マイケル・サンデル発売日: 2021/04/14メディア: 単行この『実力も運のうち 能力主義は正義か?』は『これからの「正義」の話をしよう』が大ヒットした、マイケル・サンデル教授の最新作である。『それをお金で買いますか 市場主義の限界』など、毎回その時代に問われるべきテーマを取り上げてきたサンデルだが、そんな彼が今回注目したのが「能力主義」だ。これは、現代の「分断」の原因を的確に写し取っているように感じられて、非常におもしろかった。 分断というキーワード アメリカ大統領選におけるトランプバイデンの接戦、イギリスのEU離脱、ポピュリストたちのエリートへの怒りなど今世界中で「分断」がキーワードになっているが、その要因の一つがこの「能力主義」にあるとサンデルは語る。たくさん勉強や努力をして良い大学に入り、良い仕事と賃金を得る。それに成功した人はその

    社会に分断をもたらした「自分自身の努力と勤勉さ」で成功したという考え──『実力も運のうち 能力主義は正義か?』 - 基本読書
    Betty999
    Betty999 2021/04/16
    うちの両親、高卒と中卒で、世帯年収最大2000万くらいまでいった。(母が父の年収を上回ってた時期もある)それ見てたら、努力は方向性が合えば概ね報われる、と思うわけ。そう思う環境に生まれたのも、運なんだけど
  • あり得たかもしれない宇宙開発史を描き出す、主要SF賞総なめの話題作──『宇宙へ』 - 基本読書

    宇宙【そら】へ 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:メアリ ロビネット コワル発売日: 2020/08/20メディア: Kindle版宇宙【そら】へ 下 (ハヤカワ文庫SF) 作者:メアリ ロビネット コワル発売日: 2020/08/20メディア: Kindle版この『宇宙(そら)へ』は、メアリ・ロビネット・コワルによる、1950年代の女性の計算者&パイロットの物語を描き出す、宇宙開発系のSFである。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞というアメリカの主要SF関連賞を総なめにした、SFにおける今年最大の話題作のひとつ。僕はそもそも、SFとしては現実的な科学に根ざして宇宙を舞台に展開する物語、宇宙開発系と言われるサブジャンル全般が特に好きだから、作にも大いに期待していたんだけど──いやーこれはおもしろかった! 主な舞台となっているのは先に書いたように1950年代のアメリカだが、この世界は我々の

    あり得たかもしれない宇宙開発史を描き出す、主要SF賞総なめの話題作──『宇宙へ』 - 基本読書
  • ケン・リュウによって集められた、量も多様性も増した至極の中国SF作家&短篇勢揃い──『月の光 現代中国SFアンソロジー』 - 基本読書

    月の光 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者:劉 慈欣発売日: 2020/03/18メディア: 新書この『月の光』は、ケン・リュウによって集められた、中国の精鋭SF作家らによるアンソロジー『折りたたみ北京』に続く中国SFアンソロジー第二弾である。前作が「この一撃をらったやつを全員中国SF沼に落とす」ことを目的としたような一撃必殺正拳突きのような短篇揃いだったことを思うと、今回はそこで空いた穴をぐりぐりと拡張するような、ストレートだけでなく変化球的な作品も揃っている。 作品数が13篇から16篇に増えているだけでなく(500ページ超え)、編者であるケン・リュウも『アンソロジー第一巻と比較して、今回、情緒的な広がりと文体だけでなく、作品渉猟の場を拡大する方向に目を向けて書『月の光』を編纂した』と語っている。ほとんどすべての作品が2010年代に入ってから中国語で出版

    ケン・リュウによって集められた、量も多様性も増した至極の中国SF作家&短篇勢揃い──『月の光 現代中国SFアンソロジー』 - 基本読書
  • SFマニアからビギナーまであらゆる層を満足させる、オールタイム・ベスト級の傑作SF短篇集──『なめらかな世界と、その敵』 - 基本読書

    なめらかな世界と、その敵 作者: 伴名練,赤坂アカ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/08/20メディア: 単行この商品を含むブログを見るこの『なめらかな世界と、その敵』を端的に紹介すれば、SFマニアからビギナーまであらゆる層を満足させる、オールタイム・ベスト級の傑作SF短篇集である。とはいえ著者伴名練の名は、SFファン以外は聞いたことはないだろう。既刊行作は『少女禁区』という約10年前に刊行された中短篇集一冊のみで、その後も企画物のアンソロジーに散発的に短篇を発表しるのみだったから、普通は知る機会は多くはない。 だが、SFファンの間では、書の刊行前から伴名練の名は異常なほどの熱気でもって知られていた。というのも、商業発表作こそ少ないものの、同人誌に毎年のように新作短篇を発表しており、その作品の出来がまた凄まじかったからだ。それまでのSFの先行作を緻密かつ複雑に折り込み、舞

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  • 絶望的な負け戦をどう戦うか──『NOKIA 復活の軌跡』 - 基本読書

    NOKIA 復活の軌跡 作者: リストシラスマ,田中道昭,渡部典子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/07/04メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るノキア、復活の軌跡というけれど僕の中でノキアが復活したというイメージはまったくなかった。どちらかといえば、2011年まで世界最大の携帯電話端末メーカーだったのに、まったくスマートフォン時代についていけずに失墜し、その後は携帯電話事業をマイクロソフトに売り渡し、その後どうなったのか完全に意識の外にいって消えていた存在だけれど、今は残された通信技術の会社として、フランスの通信機器大手とも合併をし、と世界の通信事業者の中でも巨大な位置を占めているんだなあ。 書は2008年にノキアの取締役に就任し、最も苦しい時期のノキアの舵取りを任されてきたリスト・シラスマによるビジネス体験記になる。復活の軌跡とはいうが、現代はT

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  • データ化すれば客観的に評価できるという考えの落とし穴──『測りすぎ──なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』 - 基本読書

    測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか? 作者: ジェリー・Z・ミュラー,松裕出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/04/27メディア: 単行この商品を含むブログを見る僕の業はWebプログラマで、こうした職業としてはありがちなこととして何社も転々としながら(時にフリーで)仕事をしているのだが、極少人数の企業をのぞけばだいたい「どうやって社員の成果を評価するか」といったところで試行錯誤している。 メンター的な存在が評価するようなケースもあれば、成果をできるだけ定量的・客観的に評価しようとするところもありと様々だが、やはりIT界隈ということもあり後者の機運の方が高い。より納得感のある評価制度があれば会社側も勤めている側もウィンウィンなので、定量的・客観的な評価が「当に」できるのであればそれは良いことなのだけれども、あんまり「こりゃうまくいっている!」というところは

    データ化すれば客観的に評価できるという考えの落とし穴──『測りすぎ──なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』 - 基本読書
  • あてにならない記憶──『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』 - 基本読書

    脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議 作者: ジュリア・ショウ,服部由美出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/12/14メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るサイエンスノンフィクションでイラストがついているのは珍しいので警戒しながら読み始めたのだがこれがおもしろい! 記憶科学の中でも、主にいったん記憶した内容を人がいかに都合よく書き換えるのかといった過誤記憶の分野(研究者は少ないらしい)を専門的に研究するジュリア・ショウによる一般向け解説書である。 赤ん坊の頃の記憶は存在するのか? たとえばいったいどのようなものが過誤記憶なのか? といえばその類例は幅広いが、有名所でいえば「赤ちゃんの頃の記憶がある」というのは基的にありえなく、過誤記憶だとされている。『成人が乳児期、幼年期の記憶を正確に思い出せないことは、以前から研究により明らかに

    あてにならない記憶──『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』 - 基本読書
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