90 吉良上野介を弁護する 岳 真也 著 文春新書 歴史ノンフィクション 投稿人:コダーマン ☆☆☆ 03.01.12 コメント:常識をひっくり返される楽しさと、事実の面白さ。 こういう本を読みたかった、という本だった。 実は、毎年12月には「忠臣蔵」関連の本を読むことにして来た。もちろん、いい本が見つかれば、である。忠臣蔵(赤穂浪士)に関していい本というのは何か? 小説であれば「松の廊下から討ち入りまでの間に」何か新機軸を楽しませてくれる本であり、ノンフィクションならこれまでの研究から一歩踏み出した内容を提示してくれる本である。 小説とノンフィクションの両方で言えることだが、浅野内匠頭が吉良上野介に斬りつけるときに「この間の遺恨おぼえたか!」とか「日頃の恨み覚えたか!」といったことにされてきたその「恨み」が、何に対する恨みか、それに新しい解答を用意している本でないと駄目なのである。 赤穂