この価格帯はイヤホンのボリュームゾーンであり、競合製品は山ほどある。つまり数を売らねばならぬ主戦場に投入された、気合の入った量販機種、それがK374なのである。 販売元のハーマンインターナショナルの売り文句もこんな感じだ。 「K3003を頂点とするAKG新世代のカナルイヤホンシリーズにスタンダードモデルが登場。フラッグシップの遺伝子を受け継ぐスタジオクオリティサウンド、ハイパフォーマンス・カナルイヤホンK374」 この煽り文句の中で、頂点と言われている「K3003」というイヤホンは、実売価格12万7500円。既成品のカナル型イヤホンで、ここまで高いものは珍しい。音質的にも最高峰と絶賛されているし、実際、私もそう思う。 しかし、K374は約20分の1のお値段。その差は一体どこにあるのか。「フラッグシップの遺伝子」は、どのあたりに受け継がれているのか。それを考えるのが今回のテーマである。 なお