東日本大震災で被災し、4月に全線開通した岩手県沿岸部の第三セクター三陸鉄道(宮古市)の経常損益が、平成26年4~6月期は3776万円の黒字となったことが29日、分かった。四半期の経常損益が黒字になったのは震災後初めて。昨年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台として人気を集めたことに加え復旧が大きく貢献した。 前年同期は3581万円の赤字だった。三陸鉄道によると、5月の大型連休を中心に観光客が大幅に増え輸送人員は前年同期比69%増の20万9749人を記録。運賃収入は2・4倍の約1億2500万円に伸びた。 27年3月期は前期の損失を穴埋めするため赤字になる見通しだが、坂下政幸事業本部長は「燃料費も高騰している中、県外の方にたくさんご利用いただいたことが大きい。今後は地元の定期利用者数も伸ばしたい」と話した。