昨日のエントリでは、4%のインフレ率を維持してゼロ金利に陥るのを免れた豪州に関するトピックを紹介した。これは、恰もブランシャールの提言を実践したかのような形になっている。 では、目標インフレ率とゼロ金利に陥る危険性をもっと定量的に関連付けた研究はあるのだろうか? 実は、先月20日のエントリの最後に紹介したエコノミスト誌のFree Exchangeで、そのようなシミュレーションが紹介されている。以下は、そのシミュレーション結果を図示したものである。 これは、過去数十年に米国を襲ったのと同規模の経済ショックを与えた場合、ゼロ金利がどのくらいの期間続くかを、目標インフレ率別に見たものである。これによると、0%の目標インフレ率ではシミュレーション期間中の約14%がゼロ金利であったのに対し、1%の目標インフレ率では約9%、2%では約5%、3%では約1%までその割合が下がり、4%ではほぼゼロになる。