脱炭素の推進に向けて、中国が原子力エネルギーの取り組みを強化している。政府の支援を受けた中国の原子力発電技術は、自国のみならず、世界のエネルギー市場を再構築する可能性を持つ。 パキスタンのカラチ沿岸部に姿を現しつつある原子力発電所。この原子力発電所は、中国の長きにわたる野望の達成を象徴している。これまで半世紀にわたってカナダ製の原子力発電所を運営していきたパキスタンは、中国製の原子力発電を迎え入れることを2023年に最終決定した。 英「フィナンシャル・タイムズ」紙によると、習近平国家主席が2060年までにカーボンニュートラルを達成すると発表して以来、中国では原子力エネルギーを石炭に代わる重要な電力源と位置付けることを明確にしている。 中国の新たな原子力発電所への投資は2023年に131億ドルに達し、過去5年間で最高を記録。2022年に中国の電力供給における原子力エネルギーが占める割合は5%