私は、私――。性分化疾患で揺らいだ性の認識と、自分が何者か分からない苦悩を経て【前編】 ずっと、何の疑いもなく「女の子」として生きてきた。そう、あの日までは――。「子宮も卵巣もない」という突然の宣告を受け、自分が女性なのか、男性なのか、何者か分からないまま、荒れて夜の世界へ飛び込んで一度は男性として生きようとしたこともあった。しかし主治医の力強い言葉、同じ性分化疾患を持つ人たちとの出会い、再構築した家族関係、様々な環境に支えられ、ようやくここまで来られた。次は私が、みんなからもらった恩を誰かに送る番――。同じように孤独な当事者に、「ここで私も、生きてるよ」と伝えたい。 2017/01/18/Wed 小池 知香子 / Chikako Koike 1986年、千葉県生まれ。胎児として母体で成育する間、様々な要因で典型的な男女の性に分化せず発達、誕生する、「性分化疾患(インターセックス)」と呼ば