その月は、バブル崩壊後の日本経済が大恐慌に陥る瀬戸際だった。きっかけは月初の三洋証券破綻。そのショックは北海道拓殖銀行に飛び火し、そして山一証券を飲み込んだ。 今、あえて、「三洋→拓銀→山一の連鎖破綻はなぜ、起きてしまったのだろうか」――という原点に立ち返りたい。その答えは、おそらく、「リーマン・ショックはなぜ起きたか」という問いにもあてはまる。 2008年9月15日の米大手証券リーマン・ブラザーズ破綻は避けられなかったかもしれない。しかし、三洋証券破綻の教訓が生かされれば、少なくとも、世界経済を混乱に陥れる事態は避けられたのではなかったのか。米金融当局は致命的な判断ミスを犯したのだ。 10億円のデフォルトが連鎖破綻を招いた 改めて当時の金融情勢を振り返ってみたい。 すっかり記憶が遠のいているだろうが、その年の10月まではマーケットは比較的平穏な状態にあった。 日経平均株価は夏場の2万円台
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