(2010年5月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ユーロ圏が崩壊する可能性はあるだろうか? 最近までは、「それは絶対にない」というのが筆者の答えだった。通貨同盟が賢明なアイデアだと思っていたからではない。通貨同盟は危険なアイデアだと考えていたし、ユーロ圏北部の中核国と大きく異なる新規加盟国を受け入れる決断によってリスクは増していた。 しかし、通貨同盟を機能させようとする決意は、欧州主要国の政策の根幹を成しているように見えた。これは今も真実なのだろうか? 筆者には分からない。 では、一体何がうまくいかなかったのか? 今、何が起きているのか? 次に何が起きるのか? そして、これはユーロ圏と世界経済にとって何を意味しているのか? 危機の根本原因は財政問題なのか? 最初の問いについては、危機の根本にあるのは財政の問題だというのが欧州の正統派の考え方だ。ウニクレディトのチーフエコノミスト、マ