“描く”という祈り 日本画家・西田俊英初回放送日:2023年10月29日 画家・西田俊英は少年期から幻想的ともいえる心象表現と、対象を見つめて描く精緻な写実が融合した、独自の表現を模索してきた。モチーフを求め世界を旅し、つねに「ほんとうのもの」を渇望して自らを追い込んできた。そして、画家がたどり着いたのが、屋久島だ。「何も創らなくていい。原生の自然に抱かれたとき、“ほんとうの絵” が生まれる」と感じ、長大な畢生(ひっせい)の作品を描きはじめる。
東京 渋谷区の複合施設に展示されていたネコのオブジェが無断で異なるデザインに変更されたのは「著作権の侵害にあたる」として作者がオブジェを所有する企業に抗議していたことが分かりました。 その後、オブジェは作者に返還され、企業側は配慮を欠く対応だったとして謝罪したということです。 都内に住む現代美術作家の吉田朗さんは、大手不動産会社が渋谷区内に開発した複合施設のレストランに展示するオブジェの制作を依頼されました。 吉田さんは招き猫をモチーフとしたオブジェを完成させ、2020年から展示されていましたが、その後、ネコのデザインが突然、黒を基調にしたものに無断で変更されたということです。 吉田さんはSNSで初めてこのことを知り、オブジェを所有する企業に対して「作者に無断で姿を変えるのは著作権の侵害にあたる」と抗議したということです。 その後、オブジェは吉田さんのもとに、変更されたデザインのまま、返還
ITの傑作商品を次々と開発して世界を変えたスティーブ・ジョブズ。惜しまれたその死から、ことし10月で10年になる。彼が生み出した製品は、いまも、その機能性と共に、美しく斬新なデザインでも世界を魅了している。 ジョブズの美的センスには日本文化の禅が影響を与えたことが知られているが、実は、禅に触れる以前、子どもの頃に見た日本の「新版画」、特に川瀬巴水(かわせはすい)から大きな影響を受けていた。ジョブズが巴水から学んだシンプルな美への探求をたどる。 文末には、ジョブズが購入した新版画作品のリストも記した。 (国際放送局・佐伯健太郎) スティーブ・ジョブズが川瀬巴水の作品と最初に出会ったのは、彼がまだ10代の頃に知り合ったカリフォルニア州サニーベールに住む親友ビル・フェルナンデスの自宅だった。 2人は互いの家を行き来し、電子機器をいじって遊んでいた。ビルは後年、アップル最初のフルタイムの社員になる
東京国立近代美術館に153点の戦争画が残っている。これについては、自分自身でリスト「東京国立近代美術館所蔵(無期限貸与)戦争画美術展 一覧」を作成している(こちら)。 これらは国民の戦意高揚のために、日本軍が画家たちに描くことを命じたものであるが、藤田嗣治は率先してこの戦争画を描いた結果、現在、東京国立近代美術館に14点もの作品が残っている。これについて自分で作成したリスト「藤田嗣治戦争画一覧」は、こちらである。 もちろんこの戦争画は他の有名画家も描いていた。中村研一の《マレー沖海戦》↓、鶴田吾郎の《神兵パレンバンに降下す》↓↓、向井潤吉の《四月九日の記録(バタアン半島総攻撃)》、宮本三郎の《山下、パーシバル両司令官会見図》↓↓↓などが、その代表的なものである。 これらの戦争画は、終戦後、一旦GHQに接収された後に返還されたものであるが、公開前日になって、「近隣諸国へ悪影響を及ぼす」などと
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