東京―カタオカススムさんは、新型コロナウイルスの流行のため、家族と長く自宅にこもる日々の合間に、ちょっとした気晴らしを探していた。ドローンを手に取り、都内の自宅の周りで飛ばし、写真を撮ってフェイスブックに投稿した。 妻のアキさんは、面白くなかった。そんな遊びで、散らかっている家の中を公開する暇があるくらいなら、もっと家事や育児をする時間があるんじゃない? ウェブマーケティングコンサルタントとして働くカタオカさんは、自分の分担はやっているつもりだった。妻に、普段やっている家事のリスト作ってみせた。2人の未就学児を風呂に入れ、皿を洗い、子供に歯磨きをさせるなどだ。 彼はほとんど分かっていなかった。看護学生である妻は、カタオカさんの21項目に対して、210項目をエクセルシートに詳細に列挙した。 「ただ、私がどれだけやっているかを夫に理解して欲しかったのです」と、彼女は語った。 共働きの夫婦にとっ