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ブックマーク / coleo.hatenadiary.org (12)

  • 湯浅誠スピーチ− 社会を社会たらしめ、単なる人間の群れではない位相を - coleoの日記;浮游空間

    以下は湯浅誠氏の、大佛次郎賞受賞スピーチです。 90年代は、野宿の問題は自己責任論で片付けられてきました。問題の質を直視しないうちに、貧困がどんどん広がってしまって、中間層に迫っている。自己責任論で片付けているだけでは問題はむしろ悪化するばかりだと、昨年暮れからの派遣切りで明らかになりました。 もちろん一気に政治や社会の見方が劇的に転換することはありません。個別対応・社会運動・政治的な折衝に同時に取り組まないと事態は好転しません。 貧困とは、単にお金だけではなく、豊かな人間関係や精神的な自信までも失って、生きる希望を見いだしにくくなる状態です。そして知的な、技術的な要素も含まれます。高度な知的財産と技術を保有した人たちが、その“溜め”を社会全体のために底上げするようにして活用する。私は、そのような循環を夢想しています。 論壇の役割は研究と教育、そして知識の普及・還元があるでしょう。市民と

    湯浅誠スピーチ− 社会を社会たらしめ、単なる人間の群れではない位相を - coleoの日記;浮游空間
  • 読売、解雇労働者の「生活保護」受給に水 - coleoの日記;浮游空間

    おそらく今後、さらにふくれるであろう解雇、雇い止め。あの三池闘争の発端になった当時の解雇をはるかに上回る人数です。 当時と異なるのは、経済のグロバール化と新自由主義的な展開のなかで、企業が国内の消費より海外を重視した結果、一転、不況の深刻化のなかで解雇がうちだされていることです。一方で、当時も、今も変わらないのは、企業というものが常に労働者を使い捨て、犠牲を押し付けようとしている姿です。そうであるからこそ、労働者にとってはまったく身に覚えもない理由で首を切られ、職につくことも、住まいも奪われ、結局、生活を奪われることになるわけですから、彼らこそは社会的に保護されなければならないと思うのです。 こうした私の考えが間違いであるかのような印象を与える記事に遭遇しました。読売新聞の日30日付の記事です。 生活保護不正受給、過去最高の91億超…読売調査 記事が紹介する同社の調査は、はたしてどんな意

    読売、解雇労働者の「生活保護」受給に水 - coleoの日記;浮游空間
  • 年の瀬に思う#2− 貧富の二極化と新しい福祉国家 - coleoの日記;浮游空間

    金融危機の影響が各国の実体経済を確実にとらえている今日、経済グローバリズムと新自由主義政策が、先進国での第三世界でも富と貧困の二極化をさらに進めることを実感させています。 70年代以降、各国で国家改造がおこなわれました。 つまり、それまで国内経済を機能させてきた国家的な規制や大きな政府部門の存在は、高い利潤を求め、世界各国を市場として活動する投資ファンドや多国籍企業にとっては、企業の自由な行動を阻害するものとして攻撃の対象になってきたのでした。要するに、各国の国内経済の安定と巨大多国籍企業の利害は一致しなくなる。政府は、国内経済の安定化と多国籍企業の利害擁護という二つの課題に迫られるわけですが、政治・経済・社会のありようを巨大多国籍企業の利害を前提に変え続けてきたというわけです。 日では、臨調行革の名のもと国鉄などの分割民営化がおこなわれ、労働組合の力は急速にそがれる形になりました。その

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  • 解雇の年末− 働く能力のある者全てに機会を - coleoの日記;浮游空間

    ポスト麻生をめぐる動きが活発になって、自民党内で反目しあう状況を招いている。政界再編を前提に動き始めた一部にたいする党内からのさや当てが強まれば、一方の側がそれに反論するという具合に。重要なことは、彼らが、緊急の課題ともいえる労働者の雇用や景気回復のための具体的な手だてなど、寸分も語ることなく、抗争に明け暮れているということだ。その意味で、党派を超えた対応が必要で、それは具体的に解雇される一人一人の今日、明日、当面の生活を守ることだ。 面白いのは、とるに足らないこんな喧嘩のようなものにつきあうブロガーも少なくないことだ。 メディアが追いはじめた政界再編など、路線対立といえるものだろうか。名前のあがっている連中をくくる枠組みとははたしてどんなものか、まったく明確ではない。それは党内の主導権争い、離合集散以上のものではない。それ以外の意味づけは不要なように私には思える。 明確なのは、雇用環境の

    解雇の年末− 働く能力のある者全てに機会を - coleoの日記;浮游空間
  • トヨタの圧力で歪められるもの。 - coleoの日記;浮游空間

    「花・髪切と思考の浮游空間」に以下の記事を公開しています。 トヨタがにらむと、こんな記事になる。。。 いまの日のマスメディアが、広告宣伝費にその経営を支えられていること、したがって、その事実があることから依頼主の大企業に頭があがらぬことにふれました。 以下は、その結果、新聞社がどのような記事をつくるのか、そのことを明瞭に示す一例だと私は思います。 こんな記事の存在を、ぬるまゆにつかってすごす日々のこんたさんからのコメントではじめて知りました。 重大なことだと思います。その記事は以下。 大阪ひき逃げ 押収車は黒のワゴンタイプ 20代従業員の所在不明 大阪市北区梅田の交差点で堺市東区の会社員、鈴木源太郎さん(30)が車にはねられ、約3キロ引きずられて死亡したひき逃げ事件で、曽根崎署捜査部が大阪市此花区内が発見、押収したのは黒いワゴンタイプの車だったことが4日、わかった。 捜査部は、これま

    トヨタの圧力で歪められるもの。 - coleoの日記;浮游空間
  • 新医療制度は撤回したほうがよい。 - coleoの日記;浮游空間

    この4月から「後期高齢者医療制度」という新しい制度がスタートする。 75歳以上の人は全員、この制度に移行する。これまでの国民健康保険制度とは異なり、一人一人が保険料を負担しなければならない。 高齢者でなくとも、医療制度の中身まで熟知している人は一般にごくわずかなのだから、新しい制度に移るといっても実感がない。制度開始が迫まってくるまで、どんな負担になるのか、また給付内容がどのように変わるのかも、気にとめないのが大方だろう。 しかし、各家庭に新制度の通知が届き、しだいに高齢者の間で話題になりはじめた。無視することのできない、とんでもない制度であることがようやく知られるようになった。一方の自治体では、制度の周知を図るために説明会を開催するなど取り組んでいるようだ。が、最近では、参加者の不安感も手伝ってか、説明会が半ば団体交渉みたいな雰囲気だという。 75歳の高齢者だけ、どうして別の枠組みに入れ

    新医療制度は撤回したほうがよい。 - coleoの日記;浮游空間
  • 自己責任、自助努力という呪縛。 - coleoの日記;浮游空間

    貧困に直面すると、受診を控えようという意識が働く。「受診抑制」を自ら選ぶのである。正しくは、それを選択させられるということだ。 この点について言及した(id:coleo:20080312:1205318473)。 エントリーでは、国民健康保険を滞納した者がどのような受診行動をとるのか、それを調査データにもとづいて紹介した。 調査によれば、保険証の代わりに資格証明書を交付された人が受診する頻度は、一般の人の2%未満と極めて低い。 データはある意味で冷酷である。一般の2%に満たないというわけだから、ちがいは歴然としている。 データの裏側にあるのは、滞納しているという「後ろめたさ」、精神的抑圧と、深刻なほどの自己責任の意識だろう。 「身から出た錆」という感覚や人に頼ってはいけないという意識が寸分でもあれば、何とかして今から逃れでてみようという意思が働くわけである。 こんな状態を、湯浅誠は、「自助

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  • 医療崩壊は打開できるのか。 - coleoの日記;浮游空間

    id:coleo:20080310:1205136814で言及した「医療崩壊の現状分析と対策に関する考察」(概要版)から紹介する。 上記「考察」の要約は以下のとおり。 医療崩壊が社会問題となり、政府・与党は緊急的に医師確保、医師派遣といった対策を打ち出してきたが、医師派遣はわずか6人にとどまり、焼け石に水の状態である。ここでは、マスメディア、厚生労働省や刑事事件など医療周辺の動きと萎縮診療、医療需要や、諸外国から見たわが国の医療供給体制に関する現状分析などを元に、主に患者の安全性の観点から、必要とされる病院職員数の推計を行った。 その上で、以下の章立てで現状を分析し、医療崩壊を打開するための対策を提起している。 医療周辺の動きと萎縮診療 「考察」は、医療をとりまく社会的な動きとして、「名義貸し」報道件数が03年、04年に急増したことをあげている。04年には新医師臨床研修制度がスタートしたこ

    医療崩壊は打開できるのか。 - coleoの日記;浮游空間
  • 八代センセーのたまう。 - coleoの日記;浮游空間

    八代尚宏がまるで、格差が「正社員」と「非正社員」の「対立」によって生じたかのように語っている。この両者の「対立」が主要因だと言い切っている。 格差問題の質は、年功賃金の「正社員」と、市場賃金の「非正社員」とのあいだの昔からある「身分差」が、長期経済停滞のしたで顕在化したことにある、と考える。つまり、企業と労働者の“労使対立”だけでなくて、正社員と非正社員の“労労対立”こそが、大きな格差を生んでいる。 振り返ってみれば、終身雇用制、年功序列賃金などに象徴される「日的慣雇用慣行」は、かつてのような高い経済成長率を前提にして、よく機能した雇用システムである。 現在のような高齢化・低成長時代に、日的雇用慣行に過度にとらわれると、正社員の年功序列や雇用を守るために、新卒の若年者や非正社員が“調整弁”になってしまう、そこに雇用調整の負担が集中する*1。 正規と非正規とを切り分けて、総人件費を抑制

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    D_Amon
    D_Amon 2008/03/08
    背景として、バブル崩壊後に急速に増えた(増やされた)非正社員の不満を雇用者ではなく正社員に向けることで、正社員と非正社員という形での労働者の分断が成功しつつあるように見えるのがなんというか残念です。
  • 「正規が非正規を搾取する」(赤木智弘)のか。 - coleoの日記;浮游空間

    赤木智弘の『若者を見殺しにする国』は、売れている。ぼくの『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』の売れ行きなど問題にならないくらいに。だって発売15日で2刷りだよ! この種のでありえねえだろ。くそう。 橋健二『新しい階級社会 新しい階級闘争』 こう語るのは、上記『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』の著者、紙屋研究所の紙屋高雪。 この書き出しではじまる一文で、紙屋がいいたかったことは、正規労働者が非正規を搾取しているという論点への、赤木の強い執着でもある。 この赤木の論点の核心である。サヨクの紙屋はもちろん、これに不同意だとのべる。 紙屋ならずとも、労働者による革命が社会をかえ、そうして資家の搾取から解放される社会がつくられるとマルクスが考えてきたことにしたがえば、むろん赤木のこの言説に強い違和感をもつはずだ。 搾取とは、階級社会において、生産手段の所有者が直接生産者に対して必要労働時間以

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  • 医療崩壊の経済 - coleoの日記;浮游空間

    救急医療の現状をとらえた産経新聞の連載が終わる。 【風】医療費抑制策が崩壊招く? 今回のタイトルがいわば結論だろう。 疑問符がついている。が、現状をみるかぎり疑問符なしでよさそうだ。 今回の記事は、ある開業医の意見を進行役として進められている。 この医師の意見を列記すると以下のようになる。 この間の、メディアもふくめた議論の深まりによって、おおかたコンセンサスを得ている意見だといってよい。 国が進める医療費の抑制策が、医療崩壊を推し進めているのではないでしょうか 病院の収入は減少し、全国で自治体病院が赤字で閉院に追い込まれています。この10年、給料は上がらないのに仕事は高度化されて専門性は増し、責任は増えるばかりです 先進医療は当然高度な設備を必要とします。しかし医療費の抑制で収入が減り、特に救急医療はやればやるだけ赤字が増えるのが現実です 24時間最高の医療を求めるならば、医療費が増大す

    医療崩壊の経済 - coleoの日記;浮游空間
  • 政府が医師不足を認める。 - coleoの日記;浮游空間

    医師は不足しているのではなく偏在しているのだ、というのが政府の公式見解だった。 これまでの態度をあらため、政府は12日、ようやく医師不足を認めた。閣議決定による。 医師は総数としても充足している状況にない 医師不足問題をめぐって、とくに現場の医師から再三の指摘があった。最近では勤務医の新しい医師連盟が結成されている。 政府はこれまで、「このままでは医師が過剰になる」として、1982年に医学部の定員削減により医師数を抑制するよう閣議決定した。これが事の発端である。その後も93年、97年と段階的に医学部定員を削減してきた。 しかし近年、これに伴う弊害が各地で表面化。必要な医療が受けたいときに受けられなくなる「医療崩壊」が全国的に加速している。過酷な勤務を強いられる医療現場からは、早期の政策の見直しを求める声が続出していた。 これに対して、政府はこれまで「地域や診療科ごとの偏在であり、医師の総数

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