フィリピンのデルロサリオ外相は29日、中国が南シナ海問題の法的解決に応じようとしない姿勢について、「自国を法を上回る存在とでも思っているのか」と声明で批判した。 強い言葉で断じたのは、中国の王毅(ワンイー)外相が25日に米国のシンクタンクで行った講演が引き金。王外相は講演で、フィリピンがオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に南シナ海問題を付託したことについて「政治的挑発だ」と発言。フィリピンこそ対話で解決しようとせず「ルール違反」だとし、仲裁を受け入れない姿勢を示していた。 仲裁裁判所の判断は年内に出る見通し。デルロサリオ外相は「国際社会も、中国に判断を尊重するよう求めている」と訴えた。(ハノイ=佐々木学)