ブックマーク / s-scrap.com (17)

  • II-9 弱者男性のための正義論(後編)

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 6:「あてがえ論」と「上昇婚」 6-1:「女をあてがえ論」とはなにか ここまでの議論を整理しよう。従来のリベラリズムやフェミニズム、幸福度に注目する議論などでは弱者男性の問題を適切に捉えることはできなかった。しかし、潜在能力アプローチを用いれば、それらを求めているのに恋人がいなかったり結婚できなかったりする人がいる状況は不正義であり、公的な対処が必要

    II-9 弱者男性のための正義論(後編)
    DavitRice
    DavitRice 2022/08/26
    「女をあてがえ論」を否定したり「女性の上昇婚」を非難する議論を批判しつつ、健康や潜在能力の問題と正義論の観点から、男性の恋愛・結婚に対する間接的な支援は公的に提供されるべきである、という議論をしてます
  • II-8 弱者男性のための正義論(中編)

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 3:リベラリズムと弱者男性 3-1:リベラリズムにおける「公私分離」 前節で親密性の欠如が不利益であるということを強調したのは、弱者男性の問題を取り上げた際に呈されることの多い、「恋愛結婚できないことが悪いとは限らない」「恋人や配偶者がいないことは大した問題ではない」という意見に反論するためであった。 とはいえ、先述した通り、「人が求めているのに

    II-8 弱者男性のための正義論(中編)
    DavitRice
    DavitRice 2022/08/19
    リベラリズムにおける「公私分離」の問題や男女の「幸福度」の高低に関する議論、責任論やケイパビリティ・アプローチなど、政治哲学の概念・理論をさまざまに取り上げながら弱者男性の問題について分析しています。
  • II-7 弱者男性のための正義論(前編)

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 1:「理念」に基づいた弱者男性論が必要な理由 1-1:規範に関する議論の性質 これまで、この連載では「特権」や「トーン・ポリシング」、「マイクロアグレッション」という概念や理論について取り上げてきた。これらのいずれもが、「この社会のなかでマイノリティは不利な立場に置かれており、その生活や活動には不当な制限が課せられている」という差別構造の問題を指摘す

    II-7 弱者男性のための正義論(前編)
    DavitRice
    DavitRice 2022/08/12
    晶文社の連載、8月のテーマは「弱者男性論」です。前編では「弱者男性論が公的に/規範論として取り上げられなければいけない理由」を論じています。中編は来週の金曜日、後編は再来週日の金曜日に公開の予定です。
  • II-6 「被害者意識の文化」と「マイクロアグレッション」

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 前回の記事では、昨今の学問や言論の世界では「危害」と見なされる行為や主張の範囲が拡がっている、という問題に触れた。 これまでは危険だとされていなかった物事に危害を見出すための概念や考え方はさまざまに登場しているが、この潮流をとくに象徴するのが「マイクロアグレッション」理論である。 危害の範囲が拡大されると、「個人の自由は、他人に危害を与えない範囲内に

    II-6 「被害者意識の文化」と「マイクロアグレッション」
    DavitRice
    DavitRice 2022/07/21
    晶文社の連載、新しい記事が公開されました。「マイクロアグレッション」理論の問題点やその背景にある「被害者意識の文化」、ストア哲学や認知行動療法などについて論じています。
  • II-5 「思想と討論の自由」が守られなければならない理由

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 「上」からではなく「下」からの制限 アメリカやヨーロッパでは、ポリティカル・コレクトネスやキャンセル・カルチャーの勢力が増していると同時に、その風潮に対する懸念や反対を表明する議論もなされている。そのなかでも特に目立つのが、ポリティカル・コレクトネスの風潮が学問の自由を侵害していることを批判する議論だ。 日では、学問の自由に対する制限は「上」からや

    II-5 「思想と討論の自由」が守られなければならない理由
    DavitRice
    DavitRice 2022/06/06
    連載が更新されました。J・S・ミルの『自由論』を引用しながら、とくに学問において(差別的だとされるものを含めて)意見を発表する自由が守られる必要性、キャンセル・カルチャーの問題点などを論じています。
  • II-4 「トーン・ポリシング」の罠

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 実に民主主義的な状況 SNSの発達がわたしたちの生活を変えたことのひとつに、だれかに「要求」をされたりしたりする機会が増えた、というのがある。 フォロワーやクラスタによっても異なるかもしれないが、たとえばわたしが朝起きてネットを開いて見てみると、必ずと言っていいほど、どこかのだれかがなにかを訴えている。それは性差別的な制度に対する問題提起や実際にあっ

    II-4 「トーン・ポリシング」の罠
    DavitRice
    DavitRice 2022/05/02
    晶文社の連載、5月分です。「トーン・ポリシング」という概念の良し悪しや「怒り」という感情の扱い、民主主義社会において「要求される側」の態度はいかにあるべきか、といったことを考察しています(長いです)。
  • 男性にも「ことば」が必要だ

    世界経済フォーラムが毎年発表している「ジェンダー・ギャップ指数」の2021年版によると、日の順位は156か国中120位であり、先進国のなかでは最低クラス、東南アジア諸国よりも低い[1]。例年、日ではとくに「ジェンダー間の経済的参加度および機会」および「政治的エンパワーメント」の指標が低いことがポイントだ(逆に、「教育達成度」と「健康と生存」の数値は他の先進国とほぼ変わりない)。日の女性は、政治や経済という「公」の領域から、いまだに締め出されつづけている。 また、2021年に小田急電鉄小田原線で起こった刺傷事件では、容疑者が取り調べで「幸せそうな女性を見ると殺してやりたいと思うようになった」と発言したことから、女性という属性をターゲットにしたヘイトクライムや「フェミサイド」であると論じられた[2]。自身も強姦事件の被害者であるジャーナリストの伊藤詩織も論じているように、日は性犯罪の被

    男性にも「ことば」が必要だ
    DavitRice
    DavitRice 2022/04/13
    わたしが書いた記事です。こちらもどうぞ。「男性にも"ことば"が必要だ」:補足と宣伝 https://davitrice.hatenadiary.jp/entry/2022/04/14/214452
  • II-2 「特権」について語ることに意味はあるのか?

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 特権はマジョリティのもの? 近頃の社会学や社会運動に関わっている人たちの、あるいは哲学に関わっている人たちの間では、「特権」という言葉が用いられることが多くなっている。 辞書によれば、特権とは「特別の権利。ある身分・資格のある者だけがもっている権利」を意味する[1]。また、「貴族」のことは「一つの社会において、格段に高い政治的ないし法的な特権と栄誉を

    II-2 「特権」について語ることに意味はあるのか?
    DavitRice
    DavitRice 2022/03/17
    連載の今月号です。「男性特権」という言葉に対する違和感についてネチネチ書いています。
  • II-1 キャンセル・カルチャーのなにが「イヤ」なのか?

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 「キャンセル・カルチャー」という言葉はご存知だろうか? いまでは様々な意味をこめて使われるようになっている言葉であるが、基的には「著名人の過去の言動やSNSの投稿を掘りかえして批判をおこない、人に謝罪を求めたり、出演や発表の機会を持たせないようにメディアに要求したり、その地位や権威を剥奪するように人の所属機関に要求したりするような運動および風潮

    II-1 キャンセル・カルチャーのなにが「イヤ」なのか?
    DavitRice
    DavitRice 2022/02/03
    晶文社での連載、シーズン2が始まりました
  • 第8回 なぜ動物を傷付けることは「差別」であるのか?

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る「逆張り思想」の読書案内。 動物倫理と「種差別」 2012年に大学院に進学したとき、わたしが修士論文のトピックに選んだのは「アメリカの動物保護運動の歴史と、動物の扱いに関する倫理学的理論の関係」であった。その後、大学院を卒業してからも「道徳的動物日記」というブログを開設して、当初はいわゆる「動物倫理」の関する考え方や概念についていろいろと解説していたものだ。 動物倫理に関する研究をし

    第8回 なぜ動物を傷付けることは「差別」であるのか?
    DavitRice
    DavitRice 2021/06/29
    書きました。動物倫理のもっとも基本的なところにある「種差別」というトピックについて、差別の定義論から「なぜ賢い動物を殺すことはより深刻な不正であるのか?」という応用的な問題まで取り上げて解説しています
  • 第7回 ストア哲学の幸福論は現代にも通じるのか?

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る「逆張り思想」の読書案内。 「幸福」「意味」とはどういうことか? 古代から、人間は「幸福」や「人生の意味」について悩んできた。どうすれば幸せで有意義な人生を送れるのか? そもそも、「幸福」や「意味」とはどういうことなのか? すこし前までは、こんな難しい問題について考えて答えようとするのは、宗教家と哲学者と文学者しかいなかった。とくに哲学においては、現代においても幸福論や人生の意味論は

    第7回 ストア哲学の幸福論は現代にも通じるのか?
    DavitRice
    DavitRice 2021/05/10
    書きました。よろしくお願いいたします。
  • 第6回 フェミニズムは「男性問題」を語れるか?

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る「逆張り思想」の読書案内。 マンスプレイニング、有害な男らしさ、家父長制 最近のフェミニズムの特徴のひとつは、男性に関する問題が取り上げられるようになっていることだ。 たとえば、「マンスプレイニング」という言葉がある。この言葉は「男(man)」と「説明(explain)」を合わせた造語であり、フェミニストであるレベッカ・ソルニットの著作『説教したがる男たち』によって広められた。「男性

    第6回 フェミニズムは「男性問題」を語れるか?
    DavitRice
    DavitRice 2021/04/05
    フェミニズムやジェンダー論で指摘される「マンスプレイニング」や「有害な男らしさ」の問題って文化や規範が原因で起こるとされるけど、それだけが原因ではないんじゃないか?という議論をしている記事を書きました
  • マザー・テレサの「名言」と効果的な利他主義

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る「逆張り思想」の読書案内。 慈善なのか偽善なのか 「自分の国で苦しんでいる人がいるのに他の国の人間を助けようとする人は、他人によく思われたいだけの偽善者である」 「大切なことは、遠くにある人や、大きなことではなく、目の前にある人に対して、愛を持って接することだ」 「日人は他国のことよりも、日のなかで貧しい人々への配慮を優先して考えるべきです。愛はまず手近なところから始まります」

    マザー・テレサの「名言」と効果的な利他主義
    DavitRice
    DavitRice 2021/03/07
    自分の国で苦しんでいる人がいるのに他の国の人間を助けようとする人は、他人によく思われたいだけの偽善者である…のか? 「効果的利他主義」の考え方を紹介しながら、「かわいそうランキング」論を批判しています
  • 第4回 トロッコ問題について考えなければいけない理由

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る「逆張り思想」の読書案内。 どう向き合うべきなのか? 「トロッコ問題」についてご存知の方は多いだろう。 この思考実験は、日では2010年に翻訳されたマイケル・サンデルの『これからの正義の話をしよう』で取り上げられて、NHKの「ハーバード白熱教室」でもサンデル教授が学生たちにトロッコ問題を投げかける姿が放映されたことで、多くの人の印象に残ることになった。 哲学の論文というかたちでトロ

    第4回 トロッコ問題について考えなければいけない理由
    DavitRice
    DavitRice 2021/02/10
    書きました!ありがちな「トロッコ問題批判」に真っ向から反論しています
  • 第3回 「権利」という言葉から距離を置くべき理由

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る「逆張り思想」の読書案内。 わたしたちは、社会問題や道徳が絡む問題を考えるときに「権利」や「人権」という言葉を用いることが多い。 権利という言葉は、契約に関する場面などでは「義務」とセットで用いられることもある。しかし、社会問題や道徳問題においては、権利という言葉は「絶対に守られるべきであり、それが侵害されるという時点で道徳的に不正な状況が発生している」ものとして用いられることが多い

    第3回 「権利」という言葉から距離を置くべき理由
    DavitRice
    DavitRice 2021/01/08
  • 第2回 結局、人文学は何の役に立つのか?

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る「逆張り思想」の読書案内。 2020年10月11日、橋下徹・元大阪府知事は「日の人文系の学者の酷さ」を指摘するツイートを行なった[1]。橋下によると、「"自分は賢い!一般国民はバカ"という認識が骨の髄まで染みている」日の人文系の学者は、「税金もらって自分の好きなことができる時間を与えてもらって勉強させてもらっていること」や「社会に対して何の貢献をしているのかわからん仕事」をして生

    第2回 結局、人文学は何の役に立つのか?
    DavitRice
    DavitRice 2020/12/09
    わたしの連載の第二弾です。人文学の意義について、定義論に逃げ込む回答を批判しながら、論じています。
  • 第1回 「ダーウィニアン・レフト」再訪

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る「逆張り思想」の読書案内。 1999年に出版されたA Darwinian Leftは、英語版の原著が70ページ、2003年に出版された邦訳である『現実的な左翼に進化する』でも文が100ページほどしかない、薄くて小さなだ。出版当時はともかく、それから20年経った現代では、あまり振り返られることがないようなである。 しかし、こので提唱されている「ダーウィニアン・レフト」という考え

    第1回 「ダーウィニアン・レフト」再訪
    DavitRice
    DavitRice 2020/11/12
    連載がはじまりました、よろしくお願いします
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