(2009年7月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 北欧最大の生命保険会社の経営者が、最近ニューヨークを訪れた時のこと。ある大手米銀の幹部からちょっと話がしたいと誘われ、オフィスを訪ねてみると、北欧のビジネスモデルと企業のダイバーシティー(多様性)について延々2時間話し合うことになった。 「北欧モデルに対する好奇心、関心の高さには驚かされる」。ノルウェーに本社を置くストアブランドのCEO(最高経営責任者)、イダー・クロイツェル氏はこう話す。 スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドの北欧4カ国で実践されている資本主義のモデルは、今の経済・金融危機における数少ない勝ち組だと言われる。 前回の銀行危機に対する対応から、企業の取締役会への女性登用に至るまで、北欧モデルは今、世界中の関心を集めている。ちょうど、1980年代の日本流の資本主義や、1960年代のドイツ流の資本主