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  • 七十億分のたった一人の人に - 駅前第四ビルが愛した植樹

    2015-11-03 七十億分のたった一人の人に ルーツ ため息をついたら幸せが逃げてしまいます。 幸せを運ぶ天使は逃げ足がとてつもなく速いので、顎を引いていつだって身構えている必要があります。 屋上で幼い姉弟が下を覗いて何か話をしていました。やがて弟はつま先で立ち、そこからニジンスキーのように飛び跳ねて遊びを始めたのです。姉は心配で心配でたまりませんでした。床のない空が一歩先で待ち構えているのだから、当然のことです。なのに怒っても拗ねても宥めても、飛び跳ねる弟を止めることはできませんでした。 私がブログを書く理由はきっと、姉と同じ気持ちになるからです。 世界中のあちこちで、夜中にスマホを眺めている人はいったいどれくらいいるのでしょうか。彼らは液晶に指を滑り込ませたらすべての情報を得ることができると錯覚しています。 しかし寝ている人が脳に沈み込んだ記憶という情報を浮かび上がらせることに比べ

    七十億分のたった一人の人に - 駅前第四ビルが愛した植樹
  • ドラッグやめますか、それとも人間やめますか - 駅前第四ビルが愛した植樹

    灰皿で友人が彼女の頭を何度も殴打するところを、私は見たことがあります。 こだわりが強すぎてときおりどうしても解決できない事案にぶつかり、跳ね返されて戻ってくるといきなり閃いて問題の極々、一部が解決する場合があります。 誰かが私に質問をしました。絶対に交通事故を起こさない方法はあるのか。 大阪南部と北部では言葉や気質に、かなりの違いがあります。北へ行くほど上品で、南へ向かうほどに荒っぽい。阪急沿線と近鉄沿線を比べてみれば、北部と南部の違いがよく分かります。 世界中を探せばきっと、地獄のような場所は存在します。地獄絵図は誰もが知っているはずで、でも日には地獄がないと思っている人もやはりいます。学生のころの私がそうでした。バイト三昧で車を買って、それで遊ぶことばかりを考えていました。 交通事故を起こさない方法は、必ずあります。 もうすぐ結婚するという人が深夜にミナミでお祝いの最中に、地獄の鬼に

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  • ミステリーショッパーは、あこがれの覆面調査員 - 駅前第四ビルが愛した植樹

    ミステリーショッパー(Mystery-Shopper)とはいったい何なのか。 レビュー記事は今まで一度として書いたことがありません。はてなには、レビューの達人がたくさんいます。私のような者に出番はない、それはもっともな意見です。ですがどういうわけか、私はのレビューや映画、ドラマの紹介記事に対してこよなく憧れじみた愛情を持っています。 しかし私のやり方は、雑学をこねくり回して記事にするという、なんとも下品な記事制作プロセスがほとんどです。 いまさら後悔しても、このブログでは今のやり方を劇的に変える手段はありません。しかしとりあえずレビューの真似事をしながら、ほんの少し先の未来を模索したいと夢見た次第です。 そこでミステリーショッパーの登場です。 ミステリーショッパーというのは覆面調査員のことです。名前がやけに魅力的なこの職業は果たして、探偵みたいなものでしょうか。ひょっとすると浮気調査でも

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  • 歯ぎしりのパワーに驚いてはいけません - 駅前第四ビルが愛した植樹

    下手をすると顎を砕きます。 嘘です。そんなはずはありません。しかし驚くほどのパワーを人間は口もとに隠しているのだけは、事実です。 歯ぎしりはイビキと並んで、安眠妨害の元凶として世間ではかなり冷たい目で見られる行為です。イビキは例えるならば、嵐です。そして歯ぎしりは地震といっても過言ではありません。 嵐や地震は男性にも女性にも平等に訪れます。自然災害なのだから当たり前のことです。しかるにうちの家内は、私は嵐や地震には無縁だと言ってききません。言い切ります。ややもするとごり押し気味に話をすり替えます。しかし私のほうも変わり者です。負けてはいませんでした。スマホで家内のイビキと歯ぎしりを録音し、まるでどうだと言わんばかりに口もとをゆがめて突き付けてやったのです。 ほら見たことか、これがあなたのイビキです。もっと言えば、歯ぎしりです。 ところがここでも家内は慌てませんでした。私じゃないと言い張るの

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  • ドッグフードは開発段階で人間が味見をしているのか - 駅前第四ビルが愛した植樹

    ドッグフードについて夕べは心底、悩みました。 私の悩み事はいつも厄介で、近所の小学生が利用している悩み事相談室くらいでは、とても収まりそうにありません。どうでもいいことが、気になって気になって仕方がなくなるのです。目が回ります。高所恐怖症がぶり返しそうで、怖いです。 とにかくドッグフードです。ドッグフードは犬の味覚に合ったものを、厳選して売られているのならば納得します。私が納得しようが呆れようが、実はドッグフード業界にとっては、それほどのことはありません。 私は三、白いごはんに玄米を少し混ぜて、味噌汁があればそれだけでも、強引に事を終わらせることが可能です。隣の犬よりも世話がかからないと、家内がいつも笑っています。 しかしドッグフードの場合、べるのは犬なんですから、人間が味見をしているとしたら、解せません。そもそも人間同士であったとしても、味覚の良し悪しなんてかなりの誤差が生じるもん

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  • 裁判官山口良忠と、差別に立ち向かった沢田美喜 - 駅前第四ビルが愛した植樹

    結果的に、他の生き方を許されなかった人たちがかつていました。 夜はいつも真っ暗です。けれども我々は、やがて朝が来ることをよく知っています。だからぐっすりと眠り、ゆっくりと目覚めます。 けれどももし、朝が来ることが約束されていない場所に置かれたら、我々はいかにして生きるのでしょうか。 山口良忠と沢田美喜はまさに、朝が来るかどうかわからない環境で生き、対照的な足跡を残した人たちでした。 山口良忠が亡くなったのは昭和22年のことです。 死因は栄養失調がもとで肺浸潤(はいしんじゅん)を併発し、死亡したとあります。戦後間もないことなので無理もないと考える方もいるかもしれませんが、山口は裁判官でした。当時の人たちの中では裕福な部類です。裕福な人たちは配給だけでなく、ヤミ市で糧を調達して飢えをしのぐことができたのです。 現在でも、それなりの地位にいる人はそれなりの場所から、それなりの金品を授受してそれ

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  • ミニマリストは究極のダイエッター - 駅前第四ビルが愛した植樹

    たとえ私のように罰当たりな人間であったとしても、シンプルライフやミニマリストに対して多少の興味は持っています。 前回の記事でミニマリストの定義について、多少の不信感を書きました。しかしミニマリストという言葉の響きには、なぜか特別なものを植え付けられてしまいます。 昔アラブの偉いお坊さんが、恋を忘れた男に与えた、しびれるような香りがいっぱいの、琥珀色した液体、それと同じほどの誘惑をミニマリストという言葉からは感じるのです。 人それぞれが、それぞれの暮らしぶりで満足するためには、それなりの法則が必要です。 隣の芝生が青く見えるのは、当にそれが青いわけではなくて、私の心が持っていない物に対して、持てないゆえの執着を拭いきれないからです。 私は果たして、どんな暮らしを望んでいるのでしょうか? もちろん贅沢三昧、放蕩気楽な生活に魅力がないわけではありません。欲もあります。自分の心の中を覗いてみると

    ミニマリストは究極のダイエッター - 駅前第四ビルが愛した植樹
    DaysLikeMosaic
    DaysLikeMosaic 2015/10/23
    minimalはminimumと異なり対象範囲の限定がありません。主観と客観と言っても良いかと思います。恐らくminimalismは物差しで測るものではなく、意識と現実の整合性(=幸福感)で評価すべきもの。端から見て美しければ芸術。
  • ミニマリストブログ、ケチとの違い - 駅前第四ビルが愛した植樹

    私はもともと、ミニマリストというのは、都会に暮らすアーミッシュのようなもんだと思っていました。 しかしよくよく調べてみると、あまりはっきりとした定義がありません。人によって捉え方がまるっきり違うし、これぞミニマリストというものが、見当たらないというのが正直なところです。 私の認識不足も、確かにあります。しかし私はミニマリストというものは、もっと哲学的な要素が含まれているもんだと勝手に解釈していました。その意味では少しがっかりしています。 ミニマリストというのはどうやらもっとお手軽で、現代的な人種のことをいうのかもしれません。スティーブ・ジョブズの黒のタートルが、ミニマリストの象徴と言うような人もいるようですし、ひょっとしてファッションか、などと疑ったりもしています。 よくよく考えてみれば、何にでも器と中身というものがあります。 ミニマリストにもやはり、器と中身があるはずです。ジョブズの黒の

    ミニマリストブログ、ケチとの違い - 駅前第四ビルが愛した植樹
    DaysLikeMosaic
    DaysLikeMosaic 2015/10/22
    買っても読まない本が増えて、何を求めて買うのか、他の手段がないか、本当に必要か、読まなくても後悔しないか等、考える様になりました。ミニマリスト宣言はしていませんが、ミニマリズの考え方のひとつかも。
  • 早漏白書、頂点から一気に奈落の底へ - 駅前第四ビルが愛した植樹

    世界一、速い男はいったい誰なのか。 悪のりは醜悪ですが、止まらないときもあります。人によっては不快に思われる方もいますので、田舎道で肥溜めをよけるが如く、歩きやすい道を選んでください。 オリンピックで常に話題の中心になるのは、スピードです。 せっかくの熱い夜、卒業のダスティン・ホフマンはミセス・ロビンソンから嘲笑を受けました。 にっこりとあしらわれてしまいます。けれどもベンジャミンにとって救いだったのは、ミセス・ロビンソンが決してスピードを口にしなかったことです。 世界陸上をテレビで垣間見るたびに、スピードへの未知への扉を開けてみたくなります。それはもはや、男たちにとっての宿命です。 果たしてウサイン・ボルトが世界で最速の男なのか、疑問はやがて後悔へと続く片道切符、二度と引き返すことはできません。 残念ながら。 果たして彼が最速か、彼よりも速い男はこの世に存在するのかしないのか。男は男同士

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  • 鼻毛、陰毛疑惑についての一考察 - 駅前第四ビルが愛した植樹

    鼻毛は現在、恥じてしかるべき冠をいただいております。 まさしく下衆な陰毛扱いです。 このような恥辱は鼻毛にとっても心外きわまりないに違いなく、このままの勢いで公然と陰毛などと言われた日には、誰だって次に鼻がなんと呼ばれるのか、考えただけでも身の縮む思いがします。 しかし鼻毛には鼻毛なりの事情が、歴然と存在します。かなり重要な働きを担っているにもかかわらず、誰もがそれに対して興味を示してくれません。眉毛やまつ毛、せめてモミアゲと同等かそれ以上の扱いを受けてしかるべきです。 なにゆえに同じ毛であるにもかかわらず、鼻から大きくはみ出た口髭のたぐいはもてはやされて、ひっそりと慎ましく生え続ける鼻毛が、ここまでの恥辱を受けるのか。涙なくしては語れません。 絶世の美女の鼻の穴から、一の鼻毛がしゃしゃり出ている、そんな光景を見た人は、鼻毛を金輪際、嫌悪します。悪夢です。トラウマです。 それでも鼻毛には

    鼻毛、陰毛疑惑についての一考察 - 駅前第四ビルが愛した植樹
  • 乳首はブローチでもピアスでもない - 駅前第四ビルが愛した植樹

    男が男性を好きになって、子供が欲しくなる。 砂漠で飲み水を欲しがるように、私はあなたを愛しています。どうしようもなく、好きなんです。そんな無二の相手が不幸にも男だったとしたら、今の社会ではかなりの制約を受けます。 しかし重い枷をかけるのは、社会だけでしょうか。お父さんやお母さんはどう思うでしょう。身内の目を気にしたりはしないのでしょうか。 まるで超難解なダンジョンに迷い込んだ、世界を救うべき主人公の如く、数々の難関を面の皮の厚さと詐欺師的な話術で運よく、クリアできたとしても、最後に立ちふさがるラスボスは、想像をはるかに超えた強力な相手になることは自明の理です。 乗り越えるべき相手は自然の法則だったのです。 精子と精子で子どもを作る方法はあるのか。果たして精子は愛する人の精子を、あなたと同じように愛することができるのか。 仮に精子同士の交配を、アンドロイド的な解決策を用いてクリアしたとしても

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  • 鼻の穴が二つないと、人間は生きられない - 駅前第四ビルが愛した植樹

    生きていけないと生きられないと生きたくない。 そのどれにあてはめても支障がでない言葉は、二つの鼻の穴です。 鼻の穴がなくては生きていけない。鼻の穴が一つでも、生きられない。生きたくなくなったら、鼻の穴を塞げば良い。このうち、鼻の穴をなくすことと塞ぐことに関しては、何の説明もいりません。 即座に息が止まるからです。 ただしもう一つ、私の脳の片隅でいきなり直立不動、しゃしゃり出てくる感情の答えがありました。それは、女性です。 彼女がいなくては生きていけない。彼女に嫌われたら、生きられない。もうこれ以上、彼女とは生きたくない。 これはどれも真理ですが、すべて間違っています。最後の生きたくない以外は、ほぼ錯覚、一瞬の熱情と言い換えても差し支えないからです。 このような諸事情の結果、今回は、二つの鼻の穴にこだわります。 鼻の穴が一つだと、いったいどんな差しさわりがあるというのか。 二つの鼻の穴が我々

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  • ソ連へ逃げた岡田嘉子は恋の樺太逃避行と騒がれました - 駅前第四ビルが愛した植樹

    ソ連への越境を決意した岡田嘉子は、樺太で消息を絶ちました。 岡田嘉子(おかだ・よしこ)は女優でしたが、彼女が活躍したのは私が生まれる前の話です。しかしとにかく、すごい経歴の持ち主です。 写真で見る限り、岡田嘉子はかなりの美人です。しかも今でいう恋多き女優でした。 「出家とその弟子」という山田隆弥主宰の舞台協会公演で、新劇界のスターになります。映画にも進出しましたので、順風満帆な芸能活動を切ったと言えます。 山田隆弥とは仕事だけでなく、内縁関係にあったようですが、1927年に映画の相手役、竹中良一と撮影中に失踪します。結婚までしました。 しかし36年には、演出家の杉良吉と恋に落ちたのです。 ひょっとすると、岡田嘉子にとって杉良吉は運命の人だったのかもしれません。 けれどもまさしく、不倫です。この当時の女性でここまで奔放に生きた人は、おそらく他にはいないでしょう。しかも彼女は奔放なだけであ

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    DaysLikeMosaic
    DaysLikeMosaic 2015/10/13
    劇的な話です。
  • ニジンスキーは、神の道化か - 駅前第四ビルが愛した植樹

    空跳ぶバレエダンサー、ニジンスキーは伝説の人であり、神に魂を奪われた者であるとも言われています。 ニジンスキーはまさしく、天才でした。彼は空を跳びました。 10歳でマリインスキー劇場付属舞踊学校に入学し、18歳で劇場の主役に抜擢されました。バレエダンサーとしての人生は、紆余曲折があったにせよ、彼の才能は誰からも疑われることのないものでした。 しかしニジンスキーは徐々に、精神を病んでいきます。 自分を囲む線を引き、その中からしか物事を見ることができなくなったのです。 彼の中には常に、自分しかなかったのかもしれません。たとえ自分以外の者を語る場合にも、それは三人称でくくられた、彼ではない自分自身だったのではないかと思われます。 後年、ユングが幻覚に悩んだように、ニジンスキーは自分の存在に常に悩まされ続けたのです。 天才ゆえに訪れた、神の試練であったと言ってしまえば、それまでですが。 ニジンスキ

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  • 蟹工船の作者、小林多喜二は拷問のうえ、虐殺されました - 駅前第四ビルが愛した植樹

    小林多喜二はなにゆえに虐殺されなければならなかったのか。 小林多喜二はプロレタリア作家と言われていました。プロレタリアとはそもそも、賃金労働者階級、無産者階級を指す言葉です。彼の作品で近年、再脚光を浴びた「蟹工船」などはまさにそれでしょう。 彼はただ単に殺されたわけではありません。拷問の末に、なぶり殺しにされたのです。 虐殺された証拠も証人も残っています。 首には細引きの痕が深く溝のように残り、皮下出血の線が赤黒く引かれてあったと言います。左右の手首にも縄のい込んだ痕跡があり、そこから血がにじんでいたそうです。 それでも小林多喜二の体に記された拷問の証に比べたら、首も手首もそれほどのことはありませんでした。帯を解いて着物を広げ、ズボンの下を覗いたときに、間違いのない死因を見つけたと、小林多喜二の遺体を確認した者は、話しています。 なぜ小林多喜二は、こうまでひどい仕打ちを受けて、虐殺されな

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  • 阿部定事件と226事件、同じ年に起こった二つの狂気 - 駅前第四ビルが愛した植樹

    誰かに盗られるくらいなら、あなたを殺して……。 これは演歌、天城越えの歌詞の一節です。阿部定事件を思うとき、私はなぜかこの歌を思い出します。 背徳だと分かってはいても、恋い焦がれる心情にはどこか惹かれてしまうのが、人情かもしれません。もちろん事件そのものを擁護するわけではありません。 目に見えない思いというものを、人間の五感は否応なしに感じ取ってしまいます。それゆえに、阿部定事件はこれまで文学や演劇の世界で、特別な女性として扱われてきたのでしょう。 事件は昭和11年の5月に起こりました。阿部定は愛人、石田吉蔵の局部を切り取りました。 ハトロン紙に包んで身につけて逃走します。現場にはなんと「定吉二人キリ」という血書が残してありました。 局部を切り取るという異常な行為から、猟奇殺人として当時、大きな話題を呼びました。ただし現代の殺人のほうがむしろ、残酷で猟奇的だと私には感じます。 阿部定は取り

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  • リバーフェニックスは、ろくでなしか - 駅前第四ビルが愛した植樹

    リバーフェニックスは1993年の深夜に、命を落としたらしい。 クラブで友人らと機嫌良く飲んでいた彼は、しかし突然、喘ぎ出し、よろけながらも店を出た。そこで卒倒、意識不明のままで病院に運ばれた。 手を尽くしたが五十分後に死亡が確認されて、二十三歳の若さで人生を閉じた。 遺体からは致死量のドラッグが、検出されたと言われている。故に彼の死因は麻薬の過剰摂取による、事故死という診断がなされたそうである。 けれども私の友人は、違うと言って利かなかった。 リバーフェニックスは生粋のベジタリアンであったらしく、動物性のものは一切、口にしなかった。だから麻薬など、常用するはずがない。何らかの事情があって暗殺されたのではないか、そんな物騒なことまで言い出したのである。 私には見たまま聞いたままを信じるだけの素直さが、欠けている。ベジタリアンだから余計に怪しいと考えた。黒いからこそ白く塗って、黒い部分を隠す必

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  • ワームホールがすべての謎を解いてくれる - 駅前第四ビルが愛した植樹

    ワームホールが存在するのなら、世の中のかなりの不思議を解明してくれるかもしれません。 ワームホールを分かりやすく説明するために、ブラックホールを持ち出します。来、ブラックホールを持ち出さなくても、ワームホールは存在可能ですが、あくまでも理解しやすい説明のためです。 吸い込み口をブラックホールとして、吐き出し口をホワイトホールとします。ブラックホールは時空に穴を開けるほど重力が強いので、別次元に出口ができると考えられています。 それがホワイトホールです。 吸い込んだものをホワイトホールから、吐き出すわけです。 ちなみに、ビッグバンとはこのホワイトホールから吐き出された空間ではないのか、という研究者もいますが、定かではありません。あくまでも仮説です。 吸い込み口と吐き出し口を繋ぐためには、通り道が必要になります。違う時空を繋ぐ通り道のことを、ワームホールというわけです。 ただしブラックホール

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  • 宇宙人と遭遇できないと嘆いているあなたに - 駅前第四ビルが愛した植樹

    一般の人が宇宙人と遭遇できないことを、特に嘆いたりしているとは思えませんが。 宇宙人が存在していることを、信じている人はたくさんいます。しかもまだ見ぬ宇宙人に対して、過度な期待を寄せているのも事実です。 宇宙人がいるかいないか、という問いかけに対して、私は私なりに真剣に考えてみました。 そういえば私もまた、その昔、宇宙人に対して憧れにも似た感情を持ったことがありました。恥ずかしい過去ではありますが、事実は動かしようのない事実です。 だからこそ、宇宙人がいるのか、いないのか、真剣に考えようとしているわけです。 もちろんたかが数日、調べたからと言って、真実が得られるはずなどありませんし、屁理屈をこねるだけこねて、ただの絵空事を真理にすり替えるような器用な芸当もできません。 ただし宇宙人はいるのか、それともいないのか、それを誰よりも知りたいと願っているのは、他でもない私自身です。だからこそ、私は

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  • 幸徳秋水、20世紀の怪物の無念 - 駅前第四ビルが愛した植樹

    幸徳秋水の名は、幸徳傳次郎(こうとく でんじろう)と言います。 彼は社会運動家であり、思想家でもありました。 中江兆民に師事し、兆民から「処世の秘訣はもうろうとすることだ。号はぼんやり『春藹(しゅんあい)』としたらどうだ」と言われ、「ぼんやりはきらいです」と答えて、研ぎ澄まされた刀を意味する「秋水」にしたと言います。 1910年に起きた大逆事件によって、当局に逮捕されました。大逆事件では多数の処刑者を出しますが、そのうちの一人です。 最近、このブログでは、宇宙のことをメインテーマに推し進めていますが、今回は多少の脱線をいたします。どうしても書き記したかったのです。 「幸徳秋水」という名を、このブログの記事の、たとえ片隅にでも。 そもそも大逆事件とは何であったのかを、簡単に説明します。 大逆事件とは、明治天皇暗殺計画のことを指します。秋水は首謀者のうちの一人に数えられて、極刑に処せられまし

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