これまでの短命首相と何が違うのか? 「ペテン師」、「人気取り」といわれても平気な菅首相の粘り腰を「機会費用」から考える 一時は絶体絶命の崖っぷちに追い込まれたかに見えた菅直人首相が驚異的な粘りを見せている。 鳩山由紀夫前首相を巧みに利用して不信任案を大差で否決し、先日は、早期退陣の確約を取ろうとした執行部数人との会合を退陣日付の確約抜きで乗り切り、野党も丸め込んで今国会会期の70日延長を勝ち取った。 追求が甘く(原発はもっと追求できたはず)、政治勘の鈍い(不信任案の時期と出し方が下手)谷垣総裁と石原幹事長にリードされた最大野党自民党が軟弱であることのお蔭もあってだが、与党内の一大反対勢力だった小沢一郎氏一派の影響力を削ぐというおまけまで付けながら、目下のところ国会期末の8月下旬まで続投がやむを得ないかというムード作りに成功している。ことこの問題に関してのみだが、たいした度胸と政治手腕だ。