先般の女子ワールドカップ決勝、澤の同点弾について。あの劇的な得点、澤はいったい足のどこでシュートしたのだろうか。 勝利後も、幾度も再生映像が流れたが、私にはさっぱりわからなかった。トーなのか、アウトフロント(足の甲の外側)なのか、アウトサイド(足の外側)なのか、ヒールなのか。さらに言えば、当てて方向を変えただけなのか、足首を捻ってスナップを利かせたのか、あるいは膝を使って能動的に方向を変えたのか。宮間がピタリと合わせて来たボールを、一体どのようにしてあのコースに飛ばしたのか。いくつもの可能性が考えられる、実に難解な一撃だった。 サッカーの妙技は、場面的な劇的度が高いもの、技術的な難易度が高いものに2分されると思う。たとえば、前者の典型はジョホールバルの岡野の決勝点であり、後者の典型は06年ワールドカップのアルゼンチンでセルビアモンテネグロから奪ったカンビアッソの25本パス得点である。そして