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ブックマーク / hsyf610muto.seesaa.net (64)

  • ブラジルに向けてまず1歩: 武藤文雄のサッカー講釈

    90分間あれだけ手変え品変え攻め込んで、あれこれ変化もつけて、それでも入らない。しかし、最後の最後には崩せる。90分と言うサッカーの時間設定の妙味を改めて味わう試合だった。 苦戦の最大要因は、言うまでもなく北朝鮮の守備がよかったと言う事だ。あれだけ執拗に、岡崎や李が裏を狙ったのに、北朝鮮の最終ラインが、試合終盤まで高いラインを保ち、整然と組織的な守備を継続した精神力はすばらしかった。日は終盤にハーフナーが起用し、駒野が落ち着いてアーリークロスを狙う事で、ようやく北朝鮮のラインを下げる事に成功した程だった(試合前に田、憲剛不在となりハーフナーを呼んだ事、あの押し詰まった時間帯に田中順也や原口でなくハーフナーを起用した事、ザッケローニ氏にこの2つの判断の成果である)。 一方で日は終始バランスを考えたサッカーを展開、北朝鮮はほとんど好機を掴めなかった。一部のマスコミが大騒ぎした鄭大世だが、

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    Desperado 2011/09/05
  • 澤の同点弾: 武藤文雄のサッカー講釈

    先般の女子ワールドカップ決勝、澤の同点弾について。あの劇的な得点、澤はいったい足のどこでシュートしたのだろうか。 勝利後も、幾度も再生映像が流れたが、私にはさっぱりわからなかった。トーなのか、アウトフロント(足の甲の外側)なのか、アウトサイド(足の外側)なのか、ヒールなのか。さらに言えば、当てて方向を変えただけなのか、足首を捻ってスナップを利かせたのか、あるいは膝を使って能動的に方向を変えたのか。宮間がピタリと合わせて来たボールを、一体どのようにしてあのコースに飛ばしたのか。いくつもの可能性が考えられる、実に難解な一撃だった。 サッカーの妙技は、場面的な劇的度が高いもの、技術的な難易度が高いものに2分されると思う。たとえば、前者の典型はジョホールバルの岡野の決勝点であり、後者の典型は06年ワールドカップのアルゼンチンでセルビアモンテネグロから奪ったカンビアッソの25パス得点である。そして

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    Desperado 2011/08/06
    あんなシュートは反復練習で身につける技術じゃないよな。
  • もう土下座の機会は来ない: 武藤文雄のサッカー講釈

    いつも、いつも、私の期待を、全く予想外の斜め上に外してくれる選手だった。そして、最後の最後まで、信じられない外し方をして、私たちから去って行ってしまった。 いつも、いつも、「おい、何をやっているんだ」と野次を飛ばしたくなる選手だった。そして、最後の最後まで、「おい、何をやっているんだ」と叫ばれながら、私たちから去って行ってしまった。 いつも、いつも、「まだやれる、もっとやれる」と思わせてくれる選手だった。そして、最後の最後まで、「まだやれる、もっとやれる」と皆から支えられ、私たちから去って行ってしまった。 私がはじめて、松田直樹を見たのは、1993年の日開催のワールドジュニアユースだった。敵FWと正対して自分得意の間合いに詰めるうまさ、敵のパス方向を適切によめる読みのよさ、いわゆるフィジカルの強さを活かした強い当たり。まだ16歳の若者が、ここまでできるのだ。そして、前年のアジアカップ制覇

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    Desperado 2011/08/05
  • 究極の贅沢に乾杯: 武藤文雄のサッカー講釈

    決勝前。 日も合衆国も、組織的な攻守が売りで、精神的にも粘り強く、攻撃に切り札を持っている。最前線のタレントの体幹の強さ、平均体重と身長、世界での優勝経験などの差から、先方の戦闘能力が上な事は間違いないけれど。 日のやり方は試合前から決まっていた。最前線からチェイシングを行い、敵の中盤から容易にパスを出させず、最終ラインで丁寧に受け渡しをして粘り強く守る。攻撃は中盤でボールを奪ってのショートカウンタ、サイドバックが上がってのサイドアタック、それにセットプレイ。無論、スカウティングによる合衆国各選手の特長、欠点に対する対応はあるにしても、チームとしてのやり方はそうは変わらない。 一方、合衆国にはいくつかの選択肢があった。そして、ドイツ戦とスウェーデン戦は、彼女達にとって、格好のスカウティング材料となった。 ドイツのやり方は、最前線から日の守備陣に徹底してプレスをかける事だった。これによ

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    Desperado 2011/07/25
  • アジアカップらしい試合: 武藤文雄のサッカー講釈

    いや、興奮させていただきました。 10人になってから、全員で我慢してしっかりと後方を固め、「いける」と判断した瞬間に全員にスイッチが入って前掛りになり、2点奪ってしまう共通意識。勝負どころの各選手の鮮やかな技巧と判断力。伊野波が「あそこ」にいたのは、全員の共通意識と、伊野波自身の判断の賜物だった。 南アフリカや、その後の親善試合でのプレイ振りを見ると、我々の代表チームがそのレベルにある事は存分に理解できていた。そして、よいチームを保有し、その理解通りにチームが強さを発揮するのを、タイトルマッチで再確認するのは、とても愉しい事だ。しかも、その強さが大変な苦境下で発揮されると言うスパイスが加わって。 しっかし、どうしてアジアカップって言う大会は、毎回こうなるのだろう。毎回毎回それをたっぷりと堪能しているのだから、文句を言う筋合いではないのだけれども。 吉田の退場劇だが、2つ目の警告は明らかに意

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    Desperado 2011/01/22
  • 相馬直樹氏の抜擢: 武藤文雄のサッカー講釈

    相馬直樹氏がフロンターレの監督に就任すると言う。J1のトップクラブが、比較的経験が浅い(しかし前途有為な)監督を抜擢する訳だ。 現役選手としての相馬直樹は、知的な位置取りと、効果的な攻撃参加を武器にした左サイドバックだった。アントラーズで幾多の栄光をつかんだのはもちろん、95年から98年フランスワールドカップ以降まで、代表でも完全に定位置を確保。幾度も左サイドを崩して好機を作り出し、フランスへの道を切り開くのに貢献した。中でも、ギリギリまで追い込まれていたフランス予選の敵地韓国戦での鮮やかな2アシストは、今なお記憶に新しい。 決して肉体能力に恵まれた選手とは言えないだけに(そしてその守備は当時の日本代表の大きな課題だった事も確かだ)、あれだけの活躍ができたのは、不断の努力と冴え渡る知性によるものだったのだろう。そう考えると、現役時代から相馬直樹は指導者として大成するのではないかと期待したも

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    Desperado 2011/01/10
  • 遠藤保仁とオシム爺さん: 武藤文雄のサッカー講釈

    ワールドカップについても語り切れていない事が無数にあるのに、日本代表はさらに見事な試合を積み重ねてくれるは、Jリーグは毎週おもしろいは、ユース代表は何とも言えない試合をしてくれるは、書きたい事ばかりが貯まっていく。(ユース代表の短期的結果は残念だったが、前線の優れたタレントを見た限りには、日サッカーの将来は明るいと感じた)。さらには、ピッチ上の戦い以外にも、ヴェルディの存続問題、アルディージャの観客数水増し問題など、色々と講釈を垂れたい事が山積みだ。 で、今日のところは、先日の日韓戦の講釈で最後の数行のみでしか称えられなかった、遠藤保仁の代表100試合出場について、語らせていただこう。 ワールドカップ直前、私は遠藤の大会での君臨を期待した文章をまとめた。そして、遠藤は期待通りにすばらしいプレイを見せ、中軸として世界中の人々に日サッカーの質の高さ見せつけてくれた。そして、今回のアルゼン

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    Desperado 2010/10/21
  • Jリーグと地上波放送: 武藤文雄のサッカー講釈

    今節、ベガルタはFC東京に終了間際の感動的逆転劇で勝利。現時点で残留争いしているライバルに、このような勝ち方をして、勝ち点6差をつけられた事は大きい。加えて、同じくベガルタと残留争いを演じているアルディージャ、ヴィッセルも敗戦した事で、それぞれとの勝ち点差も3広げる事ができた。素直に喜びたい。色々事情があって、映像もまだ見ていないので、残留争いを含めた講釈は別途垂れたいと思う。 で、今日は全然別な、お題について講釈を垂れたい。 今日の午後、何となく新聞でテレビ番組を探していた。すると、セリーグもパリーグもプレイオフをやっているのを見つけた(そう言えば、先週もライオンズとマリーンズの攻防を見たのを思い出した、2試合とも中々おもしろかった)。そこで驚いたのだが、セリーグのプレイオフ、タイガース対ジャイアンツの試合を地上波でやっていないのだ。 (少々失礼な言い方かもしれないが)先週のライオンズ対

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    Desperado 2010/10/18
  • グアテマラ戦雑感: 武藤文雄のサッカー講釈

    作文中に、楢崎が代表引退を表明したとの報道を知った。まだ34歳、GKとしてはこれからだとも思うのだが。とは言え、13年間代表GKとして活躍。02年の地元大会での颯爽とした活躍、04年の敵地チェコ戦での神業、そして昨年大会出場を決めた敵地ウズベク戦の堂々たる守護神振り。幾度も名場面を思い出す。今後もグランパスで、あの完璧な守備を見せてはくれるとは言え、やはり寂しい。 件については、色々な思いが錯綜してすぐにはまとまらないが、この機会に何とか代表GK論を整理したいと思う。それにしても、こんなに早く、楢崎も川口もいない代表チームを見る事になるとは、思いもしなかったな。 長い間、当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした。豊富な経験をグランパスで活かしてくれる事を期待します。 グアテマラ戦に移ります。 序盤の猛攻がよかった。 森の動き出しを、グアテマラDF陣が捕まえられない。1点

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    Desperado 2010/09/08
  • ザッケローニ氏、日本代表監督就任決定: 武藤文雄のサッカー講釈

    ザッケローニ氏の代表監督就任が決定したと言う。最近はあまり噂を聞く事がなかったが、少なくともウディネーゼと言う中堅クラブを上位進出させ、ミランでも優勝している男だ。弱いチームの引き上げと、強いチームでの成果と言う2種類の実績は、今の日本代表には相応しいと期待できる。最近の実績は少ないかもしれないが、まじめな勉強家と言う評判は、我が代表にはよく合うと思えるし。 原技術委員長としては「西欧なり南米でトップクラスの実績を挙げた監督が、日本代表の質を引き上げてもらおう」と言う魂胆なのだろう。そのような狙いとしては、上々の人選ができたと思う。 ただし、原氏のシゴトはこれからが番である。詳細な契約条項は不明だが、以前講釈を垂れたように、原氏が代表チームの総責任者として、ザッケローニ氏がやりやすいような活動を全面的に行う事を期待したい。それがなければ、日に縁が薄かった監督のよい活動は難しくなってしま

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    Desperado 2010/09/01
  • 岡田氏への論評について: 武藤文雄のサッカー講釈

    稿は、サッカーライト層に対して読むに耐えない文章で金を稼ぐ事を生業としている人に向けて書いたものではない。彼らは別にサッカーを好きな訳でも何でもなく、うための手段として使っている。それはそれで、日サッカーを広げるためには必要悪として存在するのだ。これらの必要悪については、我々は別に対策を打つ必要があろうが、難しい問題だ。 稿はそうではない心あるサッカー人に対して、書かせていただいたものである。 大会前に岡田氏を批判していた人達が、今でも岡田氏に文句ばかりを言うのは美しくない。 もちろん、結果が悪くなかったとは言え、それだけで、監督の評価をするのはよくない。悪くない結果を残してくれた監督だとしても、是々非々で論評するのはとても大切だ。 しかし、大会前にさんざん岡田氏に文句を言っていた以上は、「恐れ入りました」とか「ごめんなさい」くらいは、1回ハッキリ言ってもバチは当たらんだろうと言

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    Desperado 2010/07/04
  • どこを目指せばよかったのか、これから何を目指すべきなのか: 武藤文雄のサッカー講釈

    色々と余韻に浸りながら、列強の戦いを眺めていたいところ。書きたい事は無数にあるのだが、書く事でその余韻が消えてしまいそうで怖い。 しかし、次期日本代表監督の人事の噂も流れ始めている。実際の決定は大会終了後となろうが、この手の話は遅れをとるとタイミングを逸する。と言う事で大会中ではあるが、私なりの現状意見を、少しずつ述べていきたい。 とりあえず、今日は「ワールドカップの目標」はどうあるべきかについて述べたい。 約1年前にこんな文章を書いた。一部を要約する。「ベスト4を目指す、そのためにいかに全員で努力を行えるか」と言う岡田氏の発言は、(過去と異なりワールドカップ大会に出場するだけでは満足感が得られず、日程が破綻により代表チームに選手達が集中しづらい現況において)代表選手たちを鼓舞し、厳しい鍛錬を要求し、共の高みを目指そうと言う視点からは、真っ当なものにも思えるのだ(いや、「それにしても」と

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    Desperado 2010/07/04
  • 夢は叶い、悔しさに震え、未来を恐怖し、改めて感謝する: 武藤文雄のサッカー講釈

    とにかく悔しい。あれほど「完璧な試合」を堪能すると言う幸せな時を過ごしたのに、勝てなかったのだ。 ワールドカップでこう言う「完璧な試合」を見たかったのだ。いや、やりたかったのだ。当に幸せな3時間だった。でも、それでも、歓喜を味わう事ができないなんて、こんな悔しさを味わうなんて。そして、さらに絶望的な想いにとらわれている。もう2度と、このような見事なチームを所有する事はないのではないかと。 試合が進む。いや進んだのは「試合」ではなくて「時間」だな。双方、ガップリ四つ。田と遠藤を軸にいくら攻め込んでも、最後ダ・シルバが立ち塞がる。とにかく忌々しい。でも、パラグアイから見ても同じに思えた事だろう。「何なんだ、あの22番は」と。 もちろん、最後に中澤とダ・シルバが立ち塞がる事に成功するには理由があって、双方の組織守備が実に見事だからだ。オルティゴサの展開を止めるために遠藤を前に出し、サンタクル

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    Desperado 2010/07/01
  • 近づけば近づく程見える大きな大きな差: 武藤文雄のサッカー講釈

    悔しい。 完璧に近かった前半の守備。 ハーフタイムの時点で、後半立ち上がりにオランダが仕掛けて来るのはわかっていた事だった。日のキックオフ、オランダの激しいプレス。押し込まれ、ミスをした日。そして、その押し込みの時間帯を日はしのぎ切れなかった。 終盤、手変え品変え攻勢を取ろうとする。最後はとうとう闘莉王を上げる。岡崎のシュートが枠にいかない。長友が倒されても主審は笛を吹かない。 差があるのだ。過去最高級の試合だったかもしれない。最高級の試合を見せてくれたからこそ、大きな大きな差が、また見えてしまった。 悔しい。 前半の守備はすばらしかった。カメルーン戦の組織守備がさらに進化。前で押さえに行くところ、引いて中盤で止めにいくところのメリハリが見事。 序盤に短いパスをつないで、遠藤のパスを受けた長友の強烈なシュート。右サイド、駒野の絶妙な低いフィードから松井が抜け出し、そこからの展開。最後

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    Desperado 2010/06/20
  • もっと几帳面に!: 武藤文雄のサッカー講釈

    よい勝利だった。素直に喜びたい。けれども、言うまでもないし、誰もがわかっているだろうけれども、我々はまだ何もつかんではいない。そして、反省するべき点も多い試合だった。 前半の守備はよかった。 カメルーンがスローにつないでくるのを、日が整然と受けとめる。予想通りの展開。 1度左サイド(以降、サイドは全て日から見て)を崩されかけて良好な低いセンタリングを許したのと、右サイドからの強引な切り返しからシュートを許した(シュートは川島の正面に)場面を除けば、ピンチらしいピンチもなかった。 日は明らかに「前半は守る」と言うゲームプラン。遠藤はほとんど前進せず、たまに長谷部、松井が連携し、駒野の押上げと合わせて右から攻めるくらい。阿部、遠藤、長谷部、それぞれの距離感が絶妙、特に遠藤は期待通り完全にこの試合に合わせてきており、冷静にテンポを落とし全軍を支配する。阿部の守備能力、長谷部の上下動、日

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    Desperado 2010/06/15
  • ようやく昨年のレベルに戻った: 武藤文雄のサッカー講釈

    開始早々に遠藤がCKを低く入れて闘莉王が強烈に叩き込んで先制。見事だったし嬉しかったが、大会直前に、セットプレイでトリックを見せてよいものかどうか。って贅沢を言ってはバチが当たるな、うん、嬉しかった。 以降、前半はイングランドも何か気が抜けたような展開で、日のグループ守備が相応に機能した。いわゆるアンカーの阿部が好調でよくボールを拾い、長谷部と遠藤が持ち上がる。嬉しかったのは遠藤の調子が上向きの事、持ち味のひょうひょうとしたプレイがよくでていた。右サイドに起用された田も最初こそ、位置取りが決まらずミスも目立ったが、次第に攻守のバランスがとれてきた。守備そのものをサボる選手ではないので、スタメンからサイドに起用して守備のタスクを明確にする方が機能するのかもしれない。腕章を巻いた長谷部は、堂々たるチームリーダ振りを発揮、激しい守備と展開は正に欧州のトップでプレイする選手らしさを見せてくれた

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    Desperado 2010/05/31
  • 動いて戦わなければ勝てない: 武藤文雄のサッカー講釈

    開始早々、朴智星に力強いドリブル突破を許し敢えなく失点。この時期にちょっと認め難い失点だ。朴が挙動を開始したときに正対していた阿部(今野?両方?)の弱々しい当たり方に失望。さらに横にいてカバーすべき遠藤は、油断していたのだろうか、対応が遅れた。ワールドカップまでわずか3週間と言うのに、あまりに残念な失点。まあ、朴の個人能力はさすがとしか言いようがないし、「恐怖の快感」を相当感じたのも確かなのだが。 リードした韓国は守備ブロックを作り、じっくりと守ってくる。不愉快だし残念だが、視点を変えれば、強い相手がしっかり守ってくるのに対し、逆襲をケアしながら崩せるかどうかを試す格好の場が提供された訳だ。 ところが、ボールが回らない。選手が動かないからだ。俊輔、遠藤もだが、期待の田もほとんど「受け」の動きがない。岡崎と大久保だけは身体の切れがあるようだが、これでは連動は生まれないし、後方の選手も前に出

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    Desperado 2010/05/25
  • 代表チームの背番号: 武藤文雄のサッカー講釈

    日本代表の背番号が発表された。毎回恒例と言うか、中心選手を軸におなじみの背番号を選んでいく方式をとったようだ。中澤の22番へのこだわりなど、おもしろい。 過去、他国のワールドカップ背番号の振り方を思い起こすと色々なパタンがある。 ブラジルは伝統的に定位置を確保する可能性の高い選手に1番から11番をいわゆる定位置の番号(たとえば以前蘊蓄を垂れたこちらを参照ください)を割り振る事が多い。 そして、選手が「格」を上げて行くに連れ、背番号も変わっていく。たとえば10番について言えば、70年時点でペレは4大会連続!(この人だけは例外だが)、若きリベリーノは11番。74、78年はリベリーノで、78年若手のジーコは8番。そして、ジーコは82年(もちろん86年も)に着衣。98、02年とリバウドが付けて、ロナウジーニョは02年11番。06年ロナウジーニョで、カカが8番。そして今大会はカカとなるのだろう。 イ

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    Desperado 2010/05/25
  • (書評)祖国と母国とフットボール: 武藤文雄のサッカー講釈

    書は在日コリアンのサッカーライター慎武宏氏が、在日コリアンサッカー界の歴史を俯瞰した上で、これからの方向を探ろうとした作品だ。非常に読みどころの多いだが、私が気に入ったのは以下3点だった。 まず何より梁勇基だ。大阪朝鮮高時代にインタハイにも出場、プロ入りを目指し阪南大に進み、ベガルタに加入し、国内屈指のMFに成長し、ついには北朝鮮代表にたどり着いた梁。決して多い分量ではないが、その経歴が要領よく描写されている。 そして、慎氏は梁から、(我々ベガルタサポータとしては)涙が出るようなコメントを引き出している。 「監督、チームメート、サポーター。それに仙台在住の在日の方々も当によくしてくれてる。(中略)そういう方々の支えがあって、今の自分がある。だから、僕は”大阪の梁勇基”でもなければ、”在日の梁勇基”でもない。”仙台の梁勇基”というのが一番ピンときますね。」 書には多くの在日コリアンサ

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    Desperado 2010/05/25
  • 武藤文雄のサッカー講釈: 悲しい試合

    ひどい試合だった。「体調がどうだ」とか「連携がどうだ」とかではなくて「気構えがどうだ」と言う試合。ここまで戦う意思が前に出てこない日本代表を、どうしてこの時期に見なければならないのか。 負けた事は仕方がない。期待通りセルビアはよいチームだった。攻撃の創造性を担う中村俊輔と遠藤保仁は体調が今一歩、中村憲剛と田圭佑は不在。さらに、内田篤人、駒野友一、今野泰幸も離脱。たしかに苦しい布陣だった。センタバックのバックアップ候補として、リーグ戦好調だった栗原を抜擢したが、残念ながら機能せずに序盤に失点したのも痛かった。 けれども、負け方と言うものがある。特に前半の戦いぶりは絶望的なものだった。立ち上がりに裏を突かれた決定機を許しながら(楢崎の飛び出しで事なきを得る)、再度同じ形で突破を許し失点。受け入れ難い失点である。栗原は、少なくとも日頃中澤と一緒にプレイしている選手だし、決して若い選手ではないの

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    Desperado 2010/04/08