かつては故スティーブ・ジョブズ氏も憧れた会社、ソニー。冒険心と創造性にあふれた企業カルチャーは復活するのか。世界中が熱狂したソニーブランドは輝きを取り戻せるのか。すべての命運は、ユニークきわまりない経歴を持つ新リーダーにかかっている。 これまで3期連続赤字と不振に陥っているソニー。ハワード・ストリンガー会長兼社長(69歳)のもとでなかなか結果を出せない同社に、まもなく新しい社長が誕生することがほぼ確実となった。副社長を務める平井一夫氏(51歳)だ。創業者の盛田昭夫、井深大の両氏を除けば、歴代最年少の社長になる。 この平井氏、ソニーの経営者としてはかなり異色の経歴の持ち主だ。'84年に国際基督教大学(ICU)を卒業し、入社したのは音楽事業のCBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)。'95年にはゲーム事業のソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)に転じ、渡米。同社の