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ブックマーク / www.isas.jaxa.jp (39)

  • 開発・運用状況 | 小型月着陸実証機 SLIM | ISAS/JAXA

    月の14日間の夜を経て、夜が明け真昼を過ぎ、太陽電池が向いている西に太陽が傾き始めたタイミングでSLIMは活動を再開しました。夜間の低温と昼間の高温という、設計範囲を超えた非常に厳しい温度環境のため、SLIM機能喪失も懸念されましたが、無事に電波の送受に成功しています。上の写真ではSLIMからの電波を受けたときの様子を紹介しています。

  • ソーラー電力セイルによるハイブリッド推進の軌道設計 | 宇宙科学研究所

    宇宙科学最前線ソーラー電力セイルによるハイブリッド推進の軌道設計宇宙科学研究所 JSPS研究員PD (現:九州大学 工学研究院 航空宇宙工学専攻 助教)  高尾 勇輝 はじめに 「ルララ 宇宙の風に乗る」 スピッツのロビンソンという歌にある、この一節をご存知の読者は多いのではないだろうか。なんとも幻想的で、想像を掻き立てられる歌詞である。では、宇宙の風とはいったい何だろうか?作詞の草野氏が生み出した、空想の産物なのだろうか -- 否、宇宙に「風」は実在している。そして、この「風」に乗り宇宙を自由に飛び回る船が存在するのである。稿では、この宇宙帆船について日が世界に誇る技術と、その最高難易度とも呼べる軌道設計に関して筆者が取り組んできた研究成果を紹介する。 光の力で進む船、ソーラーセイル 帆船とは、帆に風を受けて推進力を生み出す船のことである。そして宇宙にも、大きな帆を広げて燃料を使わず

    ソーラー電力セイルによるハイブリッド推進の軌道設計 | 宇宙科学研究所
  • インフレータブルエアロシェルと観測ロケット実験データ回収モジュールRATS | 宇宙科学研究所

    宇宙科学最前線インフレータブルエアロシェルと観測ロケット実験データ回収モジュールRATS宇宙飛翔工学研究系 特任助教 永田 靖典 / 研究開発部門第一研究ユニット 研究開発員 中尾 達郎 はじめに 日の宇宙開発史の中で、宇宙空間から戻ってきて回収できた機体といえば何を思い浮かべるでしょうか?「はやぶさ」・「はやぶさ2」サンプルリターンカプセルは、小惑星で採取したサンプルを地球に持ち帰ることに成功したその代表格になります。これ以外にもUSERS *1 (2003年)やHSRC *2 (2018年)なども挙げられますが、数は多くなく両手で数えられる程度です。そこに2021年7月に新しく仲間入りしたのが、観測ロケット実験データ回収モジュールRATSになります。稿では、RATSとそれを実現させたインフレータブルエアロシェル、そしてインフレータブルエアロシェルの将来展望についてご紹介します。 観

    インフレータブルエアロシェルと観測ロケット実験データ回収モジュールRATS | 宇宙科学研究所
  • 小惑星で雪崩!? はやぶさ2の探査天体Ryuguなどのラブルパイル小惑星が辿った進化とは?― 雪崩、そして、コマ型小惑星の形成とラブルパイル衛星の形成 ―

    小惑星で雪崩!? はやぶさ2の探査天体Ryuguなどのラブルパイル小惑星が辿った進化とは?― 雪崩、そして、コマ型小惑星の形成とラブルパイル衛星の形成 ― 2022年11月25日 | 論文へのGATEWAY 兵頭 龍樹・宇宙科学研究所 太陽系科学研究系 この記事は「小惑星の雪崩」についてです。地球上では、アルプス山脈で起こった雪崩によって、ワイキキビーチまで崩れることはありません。しかしこれは地球 (直径約12,000km) の常識であり、直径1kmほどに満たない小惑星では話が全く異なることを以下に説明します。そもそも観測されている直径1km程度以下の小惑星は、不思議にも、コマ型形状をしているものが多いです。赤道領域が膨らんでいる特徴も見られます。コマ型小惑星の周りに小さな衛星 (地球における月のようなもの) が回っていたりもします。これまで粒子間の摩擦などの効果を考慮するのはシミュレーシ

    小惑星で雪崩!? はやぶさ2の探査天体Ryuguなどのラブルパイル小惑星が辿った進化とは?― 雪崩、そして、コマ型小惑星の形成とラブルパイル衛星の形成 ―
  • 国際宇宙探査専門委員会

    国際宇宙探査専門委員会 組織 国際宇宙探査専門委員会委員名簿 タスクフォース報告書 Gateway科学探査タスクフォース最終報告書 2019年11月25日版 ヘラクレス計画の科学探査タスクフォース中間報告書 2019年2月28日版 火星探査計画の科学探査タスクフォース中間報告書 2019年2月14日版 月極域探査タスクフォース最終報告 2019年5月18日版 アルテミス計画 アルテミス計画における科学 参考資料 宇宙科学コミュニティ限定

    Ditty
    Ditty 2022/07/20
  • 月の地下に巨大な空洞を確認 | 宇宙科学研究所

    図1:月周回衛星SELENE(かぐや)による観測の様子(想像図)。「かぐや」に搭載された月レーダサウンダーによって、月の地下構造を調べることができる。 (c) JAXA/SELENE/Crescent/Akihiro Ikeshita for Kaguya image 概要 国際共同研究チームは、日の月周回衛星「かぐや」に搭載された電波レーダ、月レーダサウンダーで取得したデータを解析し、月の火山地域の地下、数10m〜数100mの深さに、複数の空洞の存在を確認しました。確認された地下空洞の一つは、「かぐや」が発見した縦孔を東端として、西に数10km伸びた巨大なものです。地下空洞の存在を確実にした今回の成果は、科学的にも将来の月探査においても重要なものです。溶岩チューブのような地下空洞内部は、月の起源と進化の様々な課題を解決出来る場所であり、また月における基地建設として最適の場所だからです。

    月の地下に巨大な空洞を確認 | 宇宙科学研究所
  • 惑星はスノーラインで形成されたのか?

  • 小惑星近傍における探査機の軌道運動 | 宇宙科学研究所

    リンゴを手から離せば、地面に向かって真っ直ぐ落ちる。地球上に住む我々にとっては、至極当然のことである。しかし、この常識が必ずしも当てはまらない世界がある。イトカワやリュウグウなどの小惑星である。稿では、小惑星の特異な力学的環境と、それに起因する小惑星探査の難しさについて、「はやぶさ2」を題材にした筆者の研究を交えながら紹介する。 小惑星近傍でのリンゴの軌道 リンゴは地球の中心に向かって落下し、人工衛星は地球の周りで円や楕円の軌道を描く。いずれも地球重力の作用によるものである。このようなリンゴや人工衛星の振る舞いは、多くの人にとっては常識と言えよう。ところが、リンゴや探査機を小惑星に持っていくと不思議なことが起こる。リンゴは小惑星の中心方向から逸れて落下し、探査機は図1のような奇妙な軌道を描く。これは、小惑星の重力が小さいために様々な外乱が生じ、物体の運動が影響を受けるためである。 図1 

    小惑星近傍における探査機の軌道運動 | 宇宙科学研究所
  • 観測ロケットS-520-31号機による深宇宙探査用デトネーションエンジン宇宙実証実験に成功 | 宇宙科学研究所

    JAXA宇宙科学研究所は、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学未来材料・システム研究所、名古屋大学大学院工学研究科、慶應義塾大学、室蘭工業大学の研究グループと共同で開発したデトネーションエンジンシステム(以下、「システム」という)を観測ロケットS-520-31号機に搭載し、宇宙飛行実証に世界で初めて成功しました。 この度、システムは宇宙科学研究所が運用する観測ロケットS-520-31号機のミッション部に搭載され、2021年7月27日5時30分にJAXA内之浦宇宙空間観測所から打上げられました。第1段モータ分離後、宇宙空間にて、回転デトネーションエンジン(6秒間作動、推力500N)、パルスデトネーションエンジン(2秒間作動×3回)が正常に作動し、画像、圧力、温度、振動、位置、姿勢データを取得しました。実験データは、従来のテレメトリによるデータ取得に加え、展開型エアロシェルを有する再突

    観測ロケットS-520-31号機による深宇宙探査用デトネーションエンジン宇宙実証実験に成功 | 宇宙科学研究所
  • 木星高層大気の温度分布をあらためて観測し、その異常高温の原因を解明 | 宇宙科学研究所

    概要:惑星大気を加熱するオーロラ 木星と太陽の距離は地球のそれと比べて5倍以上もありますが、そのことは木星大気が温度の高い状態にあることを期待させません。実際、太陽光の入射量を基に計算すれば、この巨大惑星の高層大気の平均温度は約200K(ケルビン)、つまり摂氏 -73℃ほどと推測されます。しかし実際の観測値は約700K、摂氏で420℃にも及んでいることが分かっています。なぜこれほどまでに木星高層大気の温度は高いのか。これは50年来の謎であり、科学者たちはこの謎を「エネルギー危機 (energy crisis)」と呼んできました。 今回、JAXAのジェームズ・オダナヒュー(James O'Donoghue)が主導する研究が、木星大気の高温状態を説明すると考えられる原因を特定しました。研究チームは、木星高層大気の全球温度マップを最高分解能で作成することにより、木星大気の異常高温をもたらす熱源が

    木星高層大気の温度分布をあらためて観測し、その異常高温の原因を解明 | 宇宙科学研究所
  • 探査するなら、これ? 小惑星帯に太陽系外縁天体のような非常に赤い天体を発見 | 宇宙科学研究所

    宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所 主任研究開発員の長谷川直を中心とするマサチューセッツ工科大学、ハワイ大学、ソウル大学、京都大学、マルセイユ天体物理学研究所の国際研究チームは、火星と木星の間にある小惑星帯の小惑星に非常に赤いスペクトル※1を持つ小惑星が2つ(203 ポンペヤと269 ユスティティア)存在していることを見出しました。 この2つの小惑星は、小惑星帯の中で最も赤い天体であると考えられていたD型小惑星※2よりもスペクトルの傾きが更に急であり、寧ろ、太陽系外縁天体やケンタウルス族天体※3に見られる非常に赤いスペクトルを持つ天体に、そのスペクトルは似ています。 分光学的な結果から、これらの小惑星の表層には複雑な有機物が存在することが示唆されます。また、これらの天体は太陽系外縁部近傍で形成され、太陽系形成初期の段階で小惑星帯に移動してきた可能性が考えられます。この発見は、木星よりも内側

    探査するなら、これ? 小惑星帯に太陽系外縁天体のような非常に赤い天体を発見 | 宇宙科学研究所
  • いも焼酎 2002.9 No.258

    考証:チューハイ缶と宇宙研の関係 三 浦 公 亮 芋焼酎もなつかしいが,最近ではチューハイも衣替えして,モダーンなのみものになってきたことで人気がでている(写真)。今日は,そのチューハイ缶と宇宙研との関係を,まじめに考証してみましょう。 この缶チューハイを一度でも飲んだことがある人は,だれでも知っているが,開けると,プシューツッと音がして,写真左側からとつぜん右側のかたちにとつぜん変形する。普通,缶ビールをあけたあとは,缶はふにゃふにゃで,たよりないが,このチューハイ缶は,あけたあと,とつぜんかたくなって,しっかりする。その変化が面白いのか,よくわからないが,とにかく売れるようである。 手元に,東京大学理工学研究所報告1951年11月号の,相当に酸化してしまった冊子がある。この号の論文で,吉村慶丸先生は,航空機の胴体のような薄肉の円筒は,“概不伸張有限変形”で座屈すると喝破された。その特殊

    Ditty
    Ditty 2020/12/04
  • ISAS | 第6回:深宇宙探査を支える通信システム / 金星探査機「あかつき」の挑戦

    「あかつき」は、「はやぶさ」までの得難い経験を形あるものに変えて長年の深宇宙探査技術を継承する使命も担っています。しかし、「守成は難し」。成功の内にも潜む問題点を見逃さず、緻密に補ってより高い完成度へ変成する継承者の仕事はいぶし銀の味わいです。 「あかつき」が新調した通信装備を図1に並べました。トランスポンダ(X-TRP)から高出力増幅器(TWTA、SSPA)、アンテナ(HGA、MGA、LGA)まで、耳目に当たる通信装置は新しく生まれ変わっています。小型化、軽量化、低消費電力化を果たすと同時に、早々に色あせないために独自の工夫を加えてなっています。成果がなるべく多くのプロジェクトに役立つことを願うならば、使いやすさを損なわない程度に斬新であるべきです。機器開発だけではありません。図1は、送信経路(左向き矢印)も受信経路(右向き矢印)も常に2経路確保できることが見て取れると思います。完全冗長

  • ヴァン・アレン帯の高エネルギー電子はどこで生まれる? | 宇宙科学研究所

    ジオスペース探査衛星「あらせ」とヴァン・アレン・プローブ衛星、地上観測網の協調観測によって、ヴァン・アレン帯を構成する高エネルギー電子が、宇宙空間のどこでエネルギーを獲得しているか、その場所を特定することに初めて成功しました。 地球を取り囲むように存在するヴァン・アレン帯には、エネルギーが非常に高い電子が大量に捕捉されています。ヴァン・アレン帯は、その広がりや高エネルギー電子の密度が激しく変動します。時には、増加した高エネルギー電子が人工衛星の故障を引き起こす場合もあります。人工衛星の運用を含め、人間が地球周辺の宇宙空間(ジオスペース)で安全に活動するためには、ヴァン・アレン帯がどのように変動するのか、すなわち、電子がどこでエネルギーを獲得するのかを理解しなければなりません。電子がエネルギーを獲得するメカニズムの一つとして、ジオスペースの地球磁場が乱れることに伴って、比較的広い領域で電子が

    ヴァン・アレン帯の高エネルギー電子はどこで生まれる? | 宇宙科学研究所
  • アッという間の在職40年と200光年先の恒星探査 2004.3 号外 No.276e

    Ditty
    Ditty 2019/07/25
    恒星間ラムジェット推進システム……趣味全開で潔い。
  • 遠い軌道を回る 土星より小さく海王星より大きい系外惑星は 理論予測より多く存在 | 宇宙科学研究所

    系外惑星 OGLE-2012-BLG-0950LBの想像図。Credit: NASA/GODDARD/F. REDDY 概要 鈴木大介氏(JAXA宇宙科学研究所)率いる国際共同研究チームは、重力マイクロレンズ効果を用いた太陽系外惑星探査の結果から推定される冷たい惑星(主星から遠い公転軌道をもつ惑星)の惑星/主星の質量比分布と、惑星形成理論モデルから予測される質量比分布を比較しました。その結果、惑星があまり形成されないと考えられる20-80地球質量の範囲において、理論予測よりも10倍程度多くの惑星が存在しているという結果が得られました。観測結果を説明するためには、太陽系形成モデルから発展してきた標準的な惑星形成モデルの修正が必要かもしれません。 研究成果は、2018年12月20日発行の米国の天文学専門誌 Astrophysical Journal Letters に掲載されています。

    遠い軌道を回る 土星より小さく海王星より大きい系外惑星は 理論予測より多く存在 | 宇宙科学研究所
  • 「たんぽぽ」 地球帰還試料から探る化学進化とパンスペルミア仮説 | 宇宙科学研究所

    はじめに:アストロバイオロジーの今日的意義 宇宙物理学(アストロフィジクス)や宇宙化学(コスモケミストリー)では、私たちが住むユニバースのどこでも同じ物理現象が起き、環境条件を整えれば同じ化学反応が起きるという前提に立って世界を理解します。一方の生物学は現在まで、地球生命というたった一つの対象について検証されてきた学問です。この生物学(バイオロジー)を宇宙(アストロ)のどこでも通用する知識体系に飛躍させて「宇宙における生命の普遍性や、地球生命の特殊性を理解する」ための学際的な探求こそが、「アストロバイオロジー」の今日的な意義だと言えます。 日の宇宙科学でも、赤外線天文衛星や小惑星探査機など、アストロバイオロジー研究に間接的に貢献するプロジェクトは2000年代から実施されてきました。しかし、上記の課題解明を主目的に据えた計画は、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日実験棟の船外実験プ

    「たんぽぽ」 地球帰還試料から探る化学進化とパンスペルミア仮説 | 宇宙科学研究所
  • 中性子星の織りなす物理の魅力 | 宇宙科学研究所

    中性子星は物理の宝庫 太陽からわずか2,300光年の近傍に、「竜の卵」という名前のX線で輝く未知の中性子星が見つかった。その表面には、強い重力場に適応したミリメートルの小さな知的生命体「チーラ」が文明を築いている。チーラの生命活動は原子核物理に由来し、人類よりも遥かに短い時間で進化し、やがて人類と交信を始める...。これは、1980年にアメリカで出版されたハードSF小説『竜の卵(原題:Dragon's Egg)』のストーリーだ。その末尾に添えられた専門的補遺も面白く、私たちが知る物理で許される生物が想像力たくましく描かれている。このSF小説を取り上げたのには訳がある。作者は、物理学者でSF作家のロバート・L・フォワード(Robert L. Forward)。彼はメリーランド大学での博士論文で重力波を研究し、指導教員は共振型重力波検出器で有名なジョセフ・ウェーバー(Joseph Weber)

    中性子星の織りなす物理の魅力 | 宇宙科学研究所
  • 「あかつき」による金星の気象と大気力学の研究 | 宇宙科学研究所

    宇宙科学最前線「あかつき」による金星の気象と大気力学の研究北海道大学 地球環境科学研究院 准教授/宇宙科学研究所 客員准教授 堀之内 武 はじめに:「あかつき」 「あかつき」は2010年5月に打ち上げられた金星探査機です。同年12月の軌道投入失敗の後、生き残った姿勢制御エンジンを使って、2015年12月に軌道投入に成功し、以来金星を周期10日ほどで周回しながら、観測を続けています。紫外線から赤外線の様々な波長で撮影して大気や雲などを観測する、いわば金星の気象衛星です。 筆者は気象学者です。「あかつき」科学チーム内では、雲を追跡して風を推定し、それを使って金星大気の力学を研究しています。探査機体や搭載機器の開発には関わっていない身ですが、僭越ながら、「あかつき」のこれまでの科学成果を紹介します。 金星の気象と気候 大気をもつ太陽系の地球型惑星には、地球のほかに火星と金星があります。現在の地

    「あかつき」による金星の気象と大気力学の研究 | 宇宙科学研究所
  • 地球の高層大気から流出した酸素イオンを月周回衛星「かぐや」で検出 | 宇宙科学研究所

    地球の夜側にある磁気圏には、プラズマシートと呼ばれる領域があります。日米共同ミッションGEOTAIL(※1)の観測などから、プラズマシートは月の軌道よりも遠くまで延びていることが知られていました。つまり、地球の周りを回っている月は、時折、プラズマシートの中を通過することがあります。 2008年、運用中だった月周回衛星「かぐや(SELENE)」(※2)は、プラズマシートを何度か通過しました。寺田健太郎教授(大阪大学)が率いる研究チームが、「かぐや」に搭載されたプラズマ観測装置(※3)のデータを解析したところ、「かぐや」がプラズマシートの中を通過したとき、O+(一価の陽イオン酸素)を検出していました。また、検出したO+は月の方向に向かって流れており、1から10keVと比較的高いエネルギーを持っていることがわかりました。 検出されたO+は地球の高層大気から流出されたものだと考えられます。プラズマ

    地球の高層大気から流出した酸素イオンを月周回衛星「かぐや」で検出 | 宇宙科学研究所