2005年05月25日 黒死病とは何であったか? [医学・科学関連] すでに昨年、単行本として出版されていた「黒死病≠ペスト」説を唱える著者たちの雑誌論文が公開されていたので簡単に紹介。数理的な説明まであって、とても逐語的に説明するのは手に余るので、ごく簡単な紹介だけだけれど。 --- 14世紀中頃から17世紀にかけて、ヨーロッパを脅かし続けた黒死病と呼ばれる伝染病の本体はペストであるというのは、20世紀を通じて常識となっていた。それは間違いであって、黒死病とは32日間という特別に長い潜伏期間をもつウイルス性出血熱であったことを実証するのが本論文の目的である。 その潜伏期の長さが、限られた移動手段しかなかった中世において、広範囲な伝染の広がりを引き起こしたのである。このウイルスはエチオピアに起源があると考えられ、動物を宿主として、黒死病がヨーロッパに現れるまでにも、何度かアフリカやア