ブックマーク / med-legend.com (12)

  • 医学都市伝説: 黒死病とは何であったか?

    2005年05月25日  黒死病とは何であったか? [医学・科学関連] すでに昨年、単行として出版されていた「黒死病≠ペスト」説を唱える著者たちの雑誌論文が公開されていたので簡単に紹介。数理的な説明まであって、とても逐語的に説明するのは手に余るので、ごく簡単な紹介だけだけれど。 --- 14世紀中頃から17世紀にかけて、ヨーロッパを脅かし続けた黒死病と呼ばれる伝染病の体はペストであるというのは、20世紀を通じて常識となっていた。それは間違いであって、黒死病とは32日間という特別に長い潜伏期間をもつウイルス性出血熱であったことを実証するのが論文の目的である。 その潜伏期の長さが、限られた移動手段しかなかった中世において、広範囲な伝染の広がりを引き起こしたのである。このウイルスはエチオピアに起源があると考えられ、動物を宿主として、黒死病がヨーロッパに現れるまでにも、何度かアフリカやア

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    DocSeri 2011/01/13
    「長い潜伏期間を有するウィルス性出血熱であった可能性」。ふむ。
  • 医学都市伝説 | 非国民症候群

    もう30年近く前の事になるだろうか、当時私はある関西片田舎地方の自治体病院で働いていた。そのころ、ある共通項でくくることが出来そうな一群の人々を見ていて、地方学会あたりで発表しようかどうかと考えていた症例群があったのを思い出した。 数例あった筈なのだが、いま思い出せるのは2例程度だ。草稿は書いたがなんとなく発表がためらわれ、どこかに行ってしまった。時代的な制約もあり、おそらくこのようなまとめ方が出来る人々を見ることはもうないだろう。そのまとめ方にもかなりの異論があって不思議ではないが、当時そのような理解の仕方をしていたことは確かに意味があったと思うのだ。 そもそも、上に掲げた「非国民症候群」というのを読んだだけで、平和と民主主義の時代に、なんというふざけた保守反動イデオロギーを持ってくるのだと、非難されても仕方がない。しかし、言いたいことは、間違った方向に進んでいた時代に、そこからの「逃げ

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    DocSeri 2010/03/05
    なるほど、「周囲から有形無形の圧力を受け続ける」ことによる挫折。ファシズムの時代でなくとも同調圧力により生じ得る現象ではあろう。
  • 医学都市伝説: 機能性胃腸障害(Functional Dyspepsia;FD)って?

    2007年9月13日  機能性胃腸障害って? [医学・科学関連] 昨日、突然辞任を表明された安倍晋三首相は、深刻な健康問題を抱えておられたとの報道である。それも日、緊急に検査入院されたとのこと。 その診断が「機能性胃腸障害」というのだが、自分でも一般的な説明の際、しょっちゅう使っている言葉ではあるモノの、そんな「診断名」が公式的に通用するとは思っていなかった。 機能的というのは、客観的な異常が見つかる見つからないにかかわらず、うまく身体が働かないという状態をいうのだし、胃腸障害は胃腸の具合が悪いと言ってるだけである。色々検査してみても、具体的な異常は見つからないが、とにかく人は具合悪いと言っているのだから、無理せずじっくり様子を見ていく必要があるでしょうなぁという、甚だ曖昧な意味で使っているし、実際、それ以上の詳しい定義があるわけではない様子(参照1⋅2)。 とはいいつつ、私のように総

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    DocSeri 2007/09/14
    「正常ではないんだけど原因がはっきりしない」程度の。
  • 医学都市伝説: 自転車ヘルメットが危険を招く?

    英国バース大学の心理学者、イアン・ウォーカー博士は熱心なサイクリストであるが、自転車仲間が、ヘルメットをかぶると、かえって事故の危険性が増えるといっているのを聞き、自分自身を被験者として実証的調査をはじめた。 ウォーカー博士は自分の自転車に超音波センサーを取り付け、大学周辺の道を走った。2300台の車が彼を追い越した時の車間距離を、ヘルメット装着時、非装着時について比較した。この結果は論文となって今年3月に発刊された「事故の分析と予防」誌"Accident Analysis & Prevention"に掲載された。 それによれば、ヘルメットをかぶって自転車に乗っている時は、かぶっていない時に比べ、追い抜く車がとる車間距離が平均3.35インチ(8.5cm)短くなることが示された。しかし、博士が長髪のカツラをかぶり、女性を装うと2.2インチ余裕が生じたという。 ウォーカー博士ははこの調査中、実

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    DocSeri 2007/06/21
    ヘルメットを被った自転車に対しては車の側があまり距離を取ってくれないという話。
  • 医学都市伝説: 星の井戸

    鎌倉大仏で知られる長谷から、極楽寺方面へ向けてブラブラ歩いていくと、いわゆる極楽寺切り通しにかかろうとする坂の下に、鎌倉十井のひとつとされる星ノ井、別名、星月ノ井とも呼ばれる古井戸を見ることが出来る。 今は小汚い金属板の蓋で覆われているが、関東大震災以前まで、ここの水が道行く人に売られるほど有名であったのだそうだ。なんで星ノ井と呼ばれるかといえば、昔はこのあたりは蒼とした木々が茂っていて昼なお暗く、井戸の底には星が映って見えていたという伝承によるとする解説書きが、井戸の傍には掲げられている。 この「井戸の底からは昼間も星が見える」という言い伝えは、結構リアリティをもって世界中に広まっているもので、つい最近も、南米の古代文明を紹介するTV番組で、そこの天文台の底面には深いプールが作られていて、昼間もそこに映った星を観測していた、などという、どう考えてもあり得ない解説をしているのを見たような

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    DocSeri 2007/06/08
  • 医学都市伝説: なぜ男児出生率は高いのか?

    2005年12月17日に発刊されたBMJ掲載論文、"Time to pregnancy and sex of offspring: cohort study"より。 ------------ 精子が運ぶXとY遺伝子の比率はちょうど50%であるが、男児は女児より多く生まれる。男児の胚と胎児死亡率は女児より高いことが知られており、それを勘案すると受胎の際は男児の率がさらに高いことになる。この理由は未だに説明されていない。 この謎を解く鍵は、おそらく受精と受胎の過程にあると思われる。つまり、Y遺伝子をもつ精子はより受精の成功率が高いのであろう。一つの仮説は、Y精子はX精子と比べて、粘液の中をより速く泳げるというものである。 自然受胎では、精子は子宮頚部の粘液部分を自力で通過する必要がある。従って、その粘稠度が受胎の成功率に関与する割合が高いことになる。我々は、妊娠に至る期間が長いほど、男児が

  • 医学都市伝説: チェス競技にドーピング規定

    来る12月1日からカタール・ドーハで開催されるアジア競技大会では、トライアスロンやトランポリンなどと並んで、チェスが新競技に加わるそうだ。 日からも中川笑子選手を筆頭に3名の選手が参加という新聞記事を読んで、へぇあのショコタンにそんな一面がねぇと、かなり驚いたのだが、単なる同音異字の方でした。65才のベテランだそうで。 地元ドーハでは、写真のような大広告塔まで作って開催の日を待つ盛り上がりを示しているそうな。そんな中、世界チェス連盟はこの公式競技化を受けて、競技選手のドーピング検査規定を定め、実際にアジア大会期間中から、検査を実行することを決定した。 ただし、ロイター報道によれば、肝腎のドーハ大会のチェス競技オフィシャルには、どんな薬物を検査対象にすればいいのかが全く知らされていないという問題があるのだそうだ。 競技管理責任者のユセフ・アーマッド・アリ氏はこう語る。「私にはどんな薬物がチ

  • 医学都市伝説: 「遠赤外線で身体の芯からポカポカ」

    2006年10月10日  「遠赤外線で身体の芯からポカポカ」 [都市伝説・デマ・トンデモ, 医学・科学関連] 10月9日の「最上の日記」より。「『遠赤外線だから身体の芯からあたたまる』のか?」という疑問。 いままで暖房器具メーカーとか、サウナなんかの宣伝文句に疑問を持ったこともなかったが、考えてみれば妙な話である。遠赤外線という電磁波が分子を振動させて熱を伝える作用があるのは事実ながら、日常的な場面での熱放射伝達経路はそれしかないわけで、比較対象がないところで「遠赤外線だから」とリキんでも仕方がない。熱風暖房よりは快適と言いたいのかも知れないが、それでは他製品の売り上げに響いてしまうので、こういう妙な表現になるのかも。 しかも最上氏の指摘によれば、遠赤外線の浸透性は極めて低く、人体がほぼ水に等しいとした場合、1cmも入っていかないのだという。要は体表面が温かいだけ、と言うことである。更に最

    DocSeri
    DocSeri 2006/10/11
  • 医学都市伝説: しゃっくり治療に新発明?

    2006年10月05日  しゃっくり治療に新発明? [都市伝説・デマ・トンデモ, アートとかグッズなど] しつこいシャックリというのは時々見られる訴えで、以前書いたことがあるように、なかなか効果的な治療法がないため、患者さんはもちろん、プロの側も困惑してしまうものだ。 この度、米国Hic-Cup社が世に問う新発明が、このシャックリを簡単に止めるというふれこみの"Hic-Cup"である。シャックリを英語でHiccupというので、シャックリ治療カップ="Hic-Cup"という訳である。なかなかのネーミングって、そのまんまやんけ。 これはステンレスのカップの内部から、絶縁された銅のロッドが上に伸びる形状をしており、使用時にはカップの中に水を入れ、ロッドを頬につけて飲むという行為だけでシャックリが止まるのだそうだ。一個約25ドル、3個同時お買い上げなら60ドルである。 米国特許庁への申請文書には、

  • 医学都市伝説: 駆虫はアトピーを悪化させるか?

    2006年05月14日  駆虫はアトピーを悪化させるか? [医学・科学関連] かって日でも重要な治療課題であった腸管寄生虫感染は、むしろアトピー性疾患を防ぐという主張は次第に市民権を得つつあり、日の数少ない寄生虫研究者のなかには、あえて寄生虫感染を意図的に選ぶ人までいるほどだ。 アトピー疾患と寄生虫感染との逆相関に関しては、今も様々に追試(例えばこういうの)が行われていて、ほぼエビデンツとして確立した感もある。だからといって、人間は多少の寄生虫ぐらい腹に飼っておくのがいいのだというと、それはそれで抵抗があるのも事実である。 一部には、寄生虫は宿主の体格まで影響を与える遺伝子発現作用操作能力があるという主張すらあり、日人の短足胴長という体型はカイチュウに支配された結果だともいわれている。確かに、単なる栄養とか生活様式の変化だけでは、最近の若い人が急にえらくカッコよくなっていることは説明

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    DocSeri 2006/05/15
    "駆虫薬の投与群と非投与群の間に、アトピー疾患を持つ率に有意の変化はなかった"一度も寄生虫感染したことのない人との差異は不明。
  • 医学都市伝説: 「ことのは」騒ぎについて

    2006年03月22日  「ことのは」騒ぎについて [ウェブサイト] 昨日のヒマネタに対して「そんなことより、旧知の松○さんについて記事書いてちょ」というよく意味のわからないコメントがあった。はて?「旧知の松○さん」?誰のことだろう。 そんなわけで今日一日、松で始まる人について考え続けていた。松人志?松岡修造?松平健?松雪泰子?松坂大輔?その前の話題つながりで、松崎明のことをいっているのか?そのうちの誰であれ、TVとか報道では知っているが、個人的な知り合いなんかじゃないのだし。松田洋子ならお近づきになってもいいかな。 釈然とせぬままネタ探しのウェブ巡りをしていてハタと思いついた。松永英明氏のことを言っているのか。なるほど、確かに旧知ではある。でもこちらは彼が松永というペンネームを使い始める前に知り合ったので、彼と松永という名前を結びつけるのはちょっと困難だった。 詳しいことは忘れてしまい

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    DocSeri 2006/03/26
  • 医学都市伝説: アンコールワットのステゴザウルス

    2006年02月06日  アンコールワットのステゴザウルス [都市伝説・デマ・トンデモ] いわゆる「創造説」の立場から反進化論を唱えるカナダのサイトに、アンコールワット寺院の壁に刻まれたステゴザウルスのレリーフ写真が掲載されて話題になっているそうな。創造説の立場からいえば、すべての生物は同じ時期に神様が作った訳だがら、ステゴザウルスだろうが三葉虫だろうが人間は一緒に暮らした時期があり、そうした記憶があるからこそ、このような造形を刻むことが出来るのだというのがそちらの主張。 そういえば、超常現象ファン向けのニュースに、新石器時代の恐竜ミニチュア土器が発見された、などというようなものが昔あったような気もするけれど、詳しい二次報道がなされたというのは聞きませんなぁ。今度のははっきりと場所も特定されて写真に捉えられているので、なかなかセンセーショナルな事実であるようにも思えてしまう。 それでも、ち

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